最新記事

特別な夏

コロナ・熱中症対策両立へ 売れ行き好調、扇風機付き上着

2020年8月19日(水)10時36分

ブランドとコラボも、「日常使い」への拡大に期待

ファン付きの上着は、これまではもっぱら工事や工場などの現場で使われていたが、昨年頃から東京五輪での需要拡大も見込んだメーカーが増えたこともあり、市場が広がっている。

作業服などを取り扱うナカノ(横浜市)特販課の今井純子氏によれば、これまでは建設現場・工場などでの使用のために販売されていたが、今年は長袖・半袖・ベストタイプ、迷彩柄など一般向けのウエアが発売されており、今後は街・農作業・アウトドア用など日常の「熱中症対策に使われるのではと期待している」と話す。

ファン付き上着を開発したのは、空調服(東京・板橋)の市ケ谷弘司代表取締役。社名と同じ名前の付いた「空調服」の販売先は300社超に上り、昨年と今年は18年比で倍以上となる年間130万着超を生産している。

空調服広報の木内久美子氏によると、最近ではスポーツ・アウトドア・アパレルのメーカーなどからの問い合わせや海外販売の引き合いが増えているという。7月にアシックスがコラボ商品を発売。8月にはデザイナーの菊池武夫氏の手掛けるブランドとコラボしたプルオーバーブルゾンが約6万円で発売されたが、ネット販売は在庫切れの状態だ。

ネット通販サイトの楽天市場でも、「空調服」を含むファン付きベストの8月の売り上げは17日までですでに7月の約1.59倍に増えている。

(白木真紀、新田裕貴 取材協力:田実直美 編集:田中志保)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・新たな「パンデミックウイルス」感染増加 中国研究者がブタから発見
・韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる


20200825issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年8月25日号(8月18日発売)は「コロナストレス 長期化への処方箋」特集。仕事・育児・学習・睡眠......。コロナ禍の長期化で拡大するメンタルヘルス危機。世界と日本の処方箋は? 日本独自のコロナ鬱も取り上げる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン、ロシアと250億ドルの原発建設契約を締結=

ワールド

UBS海外部門、7年で段階的資本増強へ スイス政府

ビジネス

米の医薬品関税、EUは上限15%ですでに取り決めと

ビジネス

東証がグロース市場の上場維持基準見直し、5年以内に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性を襲った突然の不調、抹茶に含まれる「危険な成分」とは?
  • 2
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 3
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 4
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 5
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 6
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 7
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 8
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 9
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中