最新記事

米中対立

米財務省、香港の林鄭月娥行政長官ら11人に制裁 自治侵害などで

2020年8月8日(土)12時32分

米財務省は7日、香港の自治侵害などを理由に、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を含む11人を制裁対象にしたと発表した。写真は2019年11月、香港で会見する林鄭氏(2020年 ロイター/Marko Djurica/File Photo)

米財務省は7日、香港の自治侵害などを理由に、香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官を含む11人を制裁対象にしたと発表した。

制裁対象となるのは、林鄭氏のほか、香港警察トップの鄧炳強(クリス・タン)警務処長や盧偉聡前警務処長、李家超(ジョン・リー)保安局長、テレサ・チェン司法長官、香港出先機関「香港連絡弁公室」トップの駱恵寧主任、香港マカオ事務弁公室の夏宝竜主任など。米国内の資産が凍結され、米国人との取引が禁止される。

今回の制裁は、中国による香港国家安全維持法の施行を受け、トランプ大統領が先月署名した香港に対する優遇措置を廃止する大統領令に基づく。

ムニューシン財務長官は声明で、香港国家安全維持法の施行によって、香港の自治が損なわれ、中国に敵対的と見なされる個人や団体に対する弾圧の下地が作られたとの認識を示した。

林鄭氏については「自由や民主的なプロセスを抑圧する中国の政策施行の直接的責任を負う」と批判し、「米国は香港の自治を脅かすものを標的にあらゆる手段と権限を講じる」と表明した。

ポンペオ国務長官は別の声明で、制裁は「香港当局の措置は容認できないとの明確なメッセージ」とし、中国の「一国二制度」の公約に違反していると主張。ツイッターには「中国共産党やその支持者の残虐な圧制に苦しむ香港の人々を傍観することはない」と投稿した。

トランプ大統領は6日、短編動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」を傘下に置く中国の北京字節跳動科技(バイトダンス)と対話アプリ「微信(ウィーチャット)」を運営する中国の騰訊控股(テンセント)との取引を45日以内に禁止する大統領令に署名した。これに対し中国外務省は7日、断固反対を表明。両国間の緊張は高まっている。

関係筋によると、林鄭氏が9月6日に予定されていた立法会(議会)の選挙を1年延期すると発表したことを受け、制裁に関する議論が強まったという。

新アメリカ安全保障センター(CNAS)のピーター・ハレル氏は、制裁は「米国による対中政策の激化」の表れと指摘。香港政府との取引は禁止されないように見えるが、制裁下でどのような取引が容認されるのかが分からず、銀行業界に不安が広がる可能性があるとした。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・ヒューストンの中国総領事館はコロナ・ワクチンを盗もうとしていた?
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・中国・三峡ダム、警戒水位を16m上回る 長江流域で支流河川に氾濫の恐れ、住民数千人が避難路
・世界が激怒する中国「犬肉祭り」の残酷さ


2020081118issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
楽天ブックスに飛びます

2020年8月11日/18日号(8月4日発売)は「人生を変えた55冊」特集。「自粛」の夏休みは読書のチャンス。SFから古典、ビジネス書まで、11人が価値観を揺さぶられた5冊を紹介する。加藤シゲアキ/劉慈欣/ROLAND/エディー・ジョーンズ/壇蜜/ウスビ・サコ/中満泉ほか

ニュース速報

ワールド

イスラエル・パレスチナ衝突激化、米大統領「間もなく

ビジネス

マスク氏、テスラ車購入でビットコインの使用停止 気

ビジネス

寄り付きの日経平均は続落、米CPIの結果を受け幅広

ワールド

ミャンマーの外資系企業、高級オフィスビルから相次ぎ

MAGAZINE

特集:新章の日米同盟

2021年5月18日号(5/11発売)

台頭する中国の陰で「同盟国の長」となる日本に課せられた新たな重い責務

人気ランキング

  • 1

    日本経済、低迷の元凶は日本人の意地悪さか 大阪大学などの研究で判明

  • 2

    金正恩が指揮者を公開処刑、銃弾90発──韓国紙報道

  • 3

    横溝正史、江戸川乱歩...... 日本の本格推理小説、英米で静かなブーム

  • 4

    孤独を好み、孤独に強い......日本人は「孤独耐性」…

  • 5

    バブルを生きた元証券ウーマンが振り返る日経平均の3…

  • 6

    天才実業家イーロン・マスクの奇想天外な恋

  • 7

    元気過ぎるトランプの現在...韓国など同盟国を攻撃し…

  • 8

    インドで新型コロナ患者が、真菌感染症(ムコール症…

  • 9

    【動画】ゲームにあらず、降り注ぐロケット弾を正確…

  • 10

    ノーマスクの野外パーティー鎮圧 放水銃で吹き飛ば…

  • 1

    オーストラリアで囁かれ始めた対中好戦論

  • 2

    メーガン妃を誕生日写真から「外した」チャールズ皇太子に賛否...「彼女に失礼」「ごく普通」

  • 3

    かわいい赤ちゃんの「怖すぎる」声に、両親もスタジオも爆笑

  • 4

    パリス・ヒルトン、ネットで有名なセクシー「パーテ…

  • 5

    ノーマスクの野外パーティー鎮圧 放水銃で吹き飛ば…

  • 6

    日本経済、低迷の元凶は日本人の意地悪さか 大阪大…

  • 7

    プロポーズを断っただけなのに...あまりに理不尽に殺…

  • 8

    話題の脂肪燃焼トレーニング「HIIT(ヒット)」は、心…

  • 9

    金正恩が指揮者を公開処刑、銃弾90発──韓国紙報道

  • 10

    新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」…

  • 1

    メーガン・マークル、今度は「抱っこの仕方」に総ツッコミ 「赤ちゃん大丈夫?」「あり得ない」

  • 2

    「お金が貯まらない家庭の玄関先でよく見かける」1億円貯まる人は置かない『あるもの』とは

  • 3

    オーストラリアで囁かれ始めた対中好戦論

  • 4

    親日家女性の痛ましすぎる死──「日本は安全な国だと…

  • 5

    メーガン妃を誕生日写真から「外した」チャールズ皇…

  • 6

    ヘンリー王子、イギリス帰国で心境に変化...メーガン…

  • 7

    韓国、学生は原発処理水放出に断髪で抗議、専門機関…

  • 8

    ビットコインバブルは2021年ほぼ間違いなく崩壊する

  • 9

    知らない女が毎日家にやってくる──「介護される側」…

  • 10

    脳の2割を失い女王に昇格 インドクワガタアリの驚く…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

投資特集 2021年に始める資産形成 英会話特集 Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メンバーシップ登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら
World Voice

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中

STORIES ARCHIVE

  • 2021年5月
  • 2021年4月
  • 2021年3月
  • 2021年2月
  • 2021年1月
  • 2020年12月