最新記事

イスラエル

イスラエル、コロナ対策成功から第2波へ、さらには汚職で国民の不満爆発

2020年7月20日(月)17時25分
デービッド・ブレナン

ネタニヤフのコロナ対策に不満爆発 ABIR SULTAN-POOL-REUTERS

<最大野党との連立交渉が成立し、5月に新政権が発足したばかりだが、デモ隊はネタニヤフ首相の即時辞任を要求>

新型コロナウイルスの対応や汚職問題でイスラエルのネタニヤフ首相への批判が高まり、エルサレムで7月14日、抗議デモが発生。暴力行為で50人が逮捕された。

政権樹立が難航して過去1年で3度の総選挙が行われるなか、ネタニヤフの汚職疑惑は主要な争点になってきた。4月に最大野党との間で連立交渉が成立し、2021年11月までネタニヤフが首相を続投してその後は最大野党を率いるガンツ元軍参謀長の首相就任が決まったが、デモ隊はネタニヤフの即時辞任を要求。それに先立つ12日には、テルアビブで政府のコロナ対策への抗議デモが発生。ロックダウン(都市封鎖)に伴う経済的支援を求めた。

イスラエルは当初、感染封じ込めに成功していたが、失業率は悪化し、4月の制限緩和以降は感染者が急増して第2波に直面している。それに伴いネタニヤフの支持は急落し、再度のロックダウン実施をめぐって意見を対立させる与野党の亀裂も深まっている。

<2020年7月28日号掲載>

【関連記事】【対論】イスラエルの「ヨルダン川西岸併合」は当然の権利か、危険すぎる暴挙か

【話題の記事】
BLMの指導者「アメリカが我々の要求に応じないなら現在のシステムを焼き払う」の衝撃
ニューヨーク当局が新型コロナ時代のセックス指針を公開「最も安全な相手は自分自身」
独立直後のイスラエルが行ったパレスチナ人の「民族浄化」を告発する
街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...

20200728issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年7月28日号(7月21日発売)は「コロナで変わる日本的経営」特集。永遠のテーマ「生産性の低さ」の原因は何か? 危機下で露呈した日本企業の成長を妨げる7大問題とは? 克服すべき課題と、その先にある復活への道筋を探る。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、成長率とインフレ率見通し一部上方修正=スタ

ビジネス

米11月CPI、前年比2.7%上昇 セールで伸び鈍

ビジネス

ECB理事会後のラガルド総裁発言要旨

ビジネス

ECBが金利据え置き、4会合連続 インフレ見通し一
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち
  • 2
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 6
    9歳の娘が「一晩で別人に」...母娘が送った「地獄の…
  • 7
    円安と円高、日本経済に有利なのはどっち?
  • 8
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 9
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 10
    欧米諸国とは全く様相が異なる、日本・韓国の男女別…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中