最新記事

中印関係

中国兵は丸腰の部隊を襲撃か 国境衝突でインド側証言

2020年7月10日(金)11時11分

中国への抗議中、警官に取り押さえられるヒンドゥー至上主義の民族義勇団体の男性。6月17日、ニューデリーで撮影(2020年 ロイター/Anushree Fadnavis)

6月に国境係争地で発生した中国とインドの軍事衝突。インド側関係者の話などから、衝突の詳しい内容が分かってきた。インド兵20人が死亡したこの衝突を巡っては、インド政府は中国側の行動が計画されていたように見えたと指摘。中国政府は、交渉に出向いた中国の高官と兵士らに対し、インド軍側が突然攻撃を仕掛けたと主張している。

インド軍の兵士らは丸腰のまま、切り立った狭い尾根で自分たちよりも大規模な部隊に急襲されたと、インドの政府関係者のほか、この地域に動員された兵士2人、死亡した兵士らの遺族がこのほど明らかにした。

死亡したインド兵1人の父親はロイターに対し、息子は暗闇の中で金属製のくぎで喉を切られたと語った。そばにいた1人の仲間の兵士から聞いた話だという。

ヒマラヤ山脈の西部を流れるガルワン川で、凍えるような冷たい水の中で命を落とした兵士もした。これも、犠牲者の親族が目撃者から聞いた話だ。

中国軍とインド軍の衝突は、両国の事実上の国境で6月15日に起きた。死亡したインド兵20人は全員、ガルワン地域の第16ビハール連隊に所属していた。

銃撃は伴っていないが、両国間の紛争としては1967年以来、最も多くの死者を出した。衝突は高度4267メートルの山岳地帯で夜間に起こり、6時間続いた。

ロイターは死亡した兵士13人の親族から話を聞いた。遺体が収容された軍病院にも接触したが、病院は死因についてコメントを拒み、遺体は死亡診断書と併せて遺族に返したと説明した。

インド防衛省にも15日の軍事衝突についてコメントを要請したが、回答は得られていない。

中国外務省の報道官はロイターの問い合わせに対し、インド側が国境を越え、中国側を挑発したとのこれまでの説明を繰り返した。


【関連記事】
・中国・三峡ダムに「ブラックスワン」が迫る──決壊はあり得るのか
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・国家安全法成立で香港民主化団体を脱退した「女神」周庭の別れの言葉
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.

ニュース速報

ワールド

モーリシャス座礁船、燃料油の抜き取りほぼ完了=長鋪

ワールド

新型コロナワクチン安全性への懸念、根拠に欠ける=ロ

ワールド

中国、公式な米台関係にはどのような形でも反対=外務

ビジネス

英経済に「明るい兆し」、雇用維持制度の延長に反対=

MAGAZINE

特集:人生を変えた55冊

2020-8・11号(8/ 4発売)

コロナ自粛の夏休みは読書で自分を高めるチャンス──世界と日本の著名人が教える「価値観を揺さぶられた本

※次号は8/18(火)発売となります。

人気ランキング

  • 1

    トランプTikTok禁止令とTikTokの正体

  • 2

    韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪魔編集」がはびこる

  • 3

    李登輝前総統の逝去報道──日韓の温度差

  • 4

    アメリカ北東部でコロナ感染が沈静化しているのはな…

  • 5

    『ゴースト・オブ・ツシマ』でサムライ映画の世界を…

  • 6

    日本人の「集団主義」「同調圧力」には良い面も悪い…

  • 7

    スウェーデンは本当に「集団免疫」を獲得したのか …

  • 8

    中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは.....…

  • 9

    原爆投下75年、あの日アメリカが世界に核兵器をもた…

  • 10

    中国、輸入冷凍食品の包装に新型コロナウイルス 一…

  • 1

    中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?

  • 2

    ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死

  • 3

    トランプTikTok禁止令とTikTokの正体

  • 4

    『レオン』が描いた少女の性と「男性目線」

  • 5

    陽性者急増、名古屋の医師が懸念する「市中感染」の…

  • 6

    日本人の「集団主義」「同調圧力」には良い面も悪い…

  • 7

    K-POPも韓流ドラマも実は世界で売れていない? 韓国…

  • 8

    【レバノン大爆発】日頃の戦争を上回る最大の悲劇に…

  • 9

    韓国、ユーチューブが大炎上 芸能人の「ステマ」、「悪…

  • 10

    地球上で最も天体観測に適した場所が特定される──し…

  • 1

    コロナ感染大国アメリカでマスクなしの密着パーティー、警察も手出しできず

  • 2

    中国からの「謎の種」、播いたら生えてきたのは......?

  • 3

    中国から米国に「謎の種」が送りつけられている......当局は「植えないで」と呼びかけ

  • 4

    韓国、コロナショック下でなぜかレギンスが大ヒット …

  • 5

    ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死

  • 6

    宇宙観測史上、最も近くで撮影された「驚異の」太陽…

  • 7

    アメリカが遂に日本政界の媚中派を名指し批判──二階…

  • 8

    戦略性を失った習近平「四面楚歌」外交の末路

  • 9

    中国のスーパースプレッダー、エレベーターに一度乗…

  • 10

    東京都、新型コロナウイルス新規感染206人 4日連続2…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2020年8月
  • 2020年7月
  • 2020年6月
  • 2020年5月
  • 2020年4月
  • 2020年3月