最新記事

メディア

トランプのSNS規制方針、連邦通信委員会が同意するかは不明

2020年6月2日(火)10時14分

トランプ米大統領は、SNS(交流サイト)への投稿に関する運営企業の決定を規制する考えを示したが、実際に規制の作成を担う連邦通信委員会(FCC)は過去にインターネット企業の監督はできないとの立場を示しており、トランプ氏の意向を受け入れるかどうかは不明だ(2020年 ロイター)

トランプ米大統領は、SNS(交流サイト)への投稿に関する運営企業の決定を規制する考えを示したが、実際に規制の作成を担う連邦通信委員会(FCC)は過去にインターネット企業の監督はできないとの立場を示しており、トランプ氏の意向を受け入れるかどうかは不明だ。

トランプ氏は前週、ユーザーの投稿内容に関してソーシャルメディア企業の法的責任を免除する米通信品位法230条について、「撤廃か変更」する必要があるとの考えを表明。

230条の規定を明確にするためのルール作りをFCCに要請するよう商務省に指示する内容の大統領令に署名した。

FCCのパイ委員長は声明で、トランプ氏の提案への支持は示さず、「この議論は重要」で、FCCは「ルール作りのいかなる要請も慎重に検討する」と述べるにとどめた。

パイ氏は2018年8月にあるフォーラムで、ソーシャルメディア企業が言論の自由を守ることを望むが、FCCがフェイスブックやアルファベット傘下グーグル、ツイッターを含むプラットフォーム運営企業を規制するのが適切だとは考えていないと表明。「言論の自由という観点で運営企業が規制されることはない」とし、「これらのプラットフォームを規制するのは政府の役割ではない。われわれにその権限はない」と語った。

FCCの共和党系委員、マイク・オライリー氏はツイッターへの投稿で、「保守派の私としては、リベラルなIT最大手が言論を抑圧していることに困惑している。一方で、圧倒的な重要性がある憲法修正第1条は断固として守りたい」と述べた。憲法修正第1条は言論の自由を定める。

FCCの元共和党系委員ロバート・マクダウェル氏はツイッターへの投稿で、230条の見直しは「政治的なプラットフォーム上の言論管理に基づいている。つまり、今回の政府の『介入』は流動的な部分が多くある。実現するとは思えない」とした。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中