最新記事

米軍事

トランプ、ドイツ駐留米軍削減を明言 防衛費負担で独に不満

2020年6月16日(火)10時08分

トランプ米大統領(右)は15日、ドイツに駐留している米軍の規模を約9500人削減し、2万5000人とすると表明した(2019年 ロイター/LEAH MILLIS)

トランプ米大統領は15日、ドイツに駐留している米軍の規模を約9500人削減し、2万5000人とすると表明した。北大西洋条約機構(NATO)同盟国のほか、国内では議会共和党からも反対の意見が出る可能性がある。

トランプ大統領は記者団に対し、ドイツはNATO加盟国に求められる防衛費を拠出していないと指摘。防衛費を増加させない限り、米国は駐独米軍の規模を縮小させると述べた。

「米国がドイツを守っているのに、ドイツは義務を履行していない。これでは筋が通らない。それ故、軍兵士の数を2万5000人に減らす」と述べた。

ドイツのエミリー・ヘイバー駐米大使は15日に開かれたインターネット上のイベントで、米軍はドイツを防衛するためではなく、大西洋地域の安全保障を守るためにドイツに駐留していると指摘。また、独政府は駐独米軍削減方針について知らされていたと明らかにした。

政府当局者はこれまでにロイターに対し、縮小は米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長が検討してきたことで、トランプ大統領とドイツのメルケル首相との間の緊張の高まりに関連するものではないと述べていた。ただ関係筋は、ホワイトハウスのほか、国務省、国防総省の多くの当局者がトランプ大統領の決定を予想外と受け止めているとしている。

*内容を追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・米シアトルで抗議デモ隊が「自治区」設立を宣言──軍の治安出動はあるか
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・自殺かリンチか、差別に怒るアメリカで木に吊るされた黒人の遺体発見が相次ぐ
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...


20200623issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月23日号(6月16日発売)は「コロナ時代の個人情報」特集。各国で採用が進む「スマホで接触追跡・感染監視」システムの是非。第2波を防ぐため、プライバシーは諦めるべきなのか。コロナ危機はまだ終わっていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

バリューアクト、セブン&アイ取締役候補者に賛成票投

ビジネス

欧州は中国から産業利益守るべき=仏財務相

ビジネス

追加利上げ、今年中に「ないともあるとも言えない」=

ビジネス

日経平均は4日ぶり反発、米株先物の底堅さが支援 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 3

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 4

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 5

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 6

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 7

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 8

    ヨルダン王女、イランの無人機5機を撃墜して人類への…

  • 9

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 10

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中