新型コロナのパンデミックで出稼ぎ労働者排斥 アラブ経済の未来に影
経済改革にも悪影響
外国人労働者が流出すれば各国政府の歳入が減少し、改革への取り組みが減速する可能性がある、とアナリストらは指摘する。
クウェート現地紙は、複数の国会議員が「国内労働者の賃金を引き下げることを民間企業に認める法案は何であれ阻止する」と警告したと報じた。
湾岸諸国が雇用を「内製化」する可能性は高い。オマーンは4月、国営企業に対し、外国人労働者を国内労働者に置き換えるよう命じた。だがアナリストらは、これによって経済成長を活性化させることはさらに難しくなるかもしれないと話す。
サウジアラビアが娯楽産業や宗教色を伴わない観光産業を構築しようと試みるなど、湾岸諸国におけるいくつかの経済多角化構想は、「国内に居住する外国人労働者や外国からの訪問客を軸とする経済活動に大きく依存している」と、アラブ湾岸諸国研究所のモギルニッキ氏は言う。
司会者のオケイリー氏は、国営SBCテレビの番組のなかで、外国人労働者を雇用し続けるサウジアラビア企業について「恥知らずで、国家への忠誠に無頓着だ」と批判した。
「危機が生じるたびにサウジ国民である労働者が犠牲になる状況を止めなければならない」と、オケイリー氏は語った。「よりスキルの高いサウジ国民の場所を奪っている外国人労働者を排除しよう」
Davide Barbuscia Marwa Rashad (翻訳:エァクレーレン)

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