最新記事

アメリカ政治

米国各地の「都市封鎖」反対抗議、トランプ陣営が仕掛けた「フェイクデモ」だった

2020年4月22日(水)18時52分

米大統領選の激戦州で行われた都市封鎖に反対する抗議活動が、共和党の複数の議員やトランプ大統領(写真)の選挙陣営の関係者が組織したり煽っていたことが20人以上の関係者の話で明らかになった。写真はワシントンで21日撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)

米大統領選の激戦州で行われた都市封鎖に反対する抗議活動が、共和党の複数の議員やトランプ大統領の選挙陣営の関係者が組織したり煽っていたことが20人以上の関係者の話で明らかになった。

ミシガン州では先週、新型コロナ対策の一環で外出禁止を命じた民主党のホイットマー知事に対する抗議集会が開かれたが、集会の主催者はトランプ大統領の選挙陣営の関係者だった。

ペンシルベニア、ウィスコンシン、ノースカロライナなど大統領選の他の激戦州でも、共和党議員、党指導部、トランプ陣営の関係者がソーシャルメディアで抗議活動への参加を呼びかけていた。抗議活動は、主に保守派の活動家や銃の保有権利を推進する団体などが主催したもので、抗議活動には共和党関係者も参加していた。

こうした活動は、新型コロナ対策の規制緩和を慎重に進めるよう指示するトランプ政権の姿勢と矛盾する。

ロイター/イプソスの世論調査によると、民主党員の88%、共和党員の55%が「経済に悪影響があるとしても新型コロナ対策として外出禁止措置を続けるのが望ましい」と答えている。

だが、共和党関係者によると、トランプ氏の支持者の間では、民主党の州知事による経済封鎖が行き過ぎだとのトランプ氏の批判に共感する声が多いという。

共和党関係者は、抗議活動について、トランプ政権やトランプ氏の選挙陣営と連絡をとったことはないと話している。

トランプ氏の選挙陣営は、抗議活動に参加したかどうかはコメントを控えたが、トランプ大統領が定例会見で、抗議活動に参加する人の不満は理解できると発言していることに言及した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・「ストックホルムは5月には集団免疫を獲得できる」スウェーデンの専門家の見解
・日本がコロナ死亡者を過小申告している可能性はあるのか?
・アメリカの無関心が招いた中国のWHO支配
・シンガポール、新型コロナ感染1日で1426人と急増 寮住まいの外国人労働者間で拡大


20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、ベネズエラ石油「封鎖」に当面注力 地上攻撃の可

ビジネス

午前の日経平均は小反発、クリスマスで薄商い 値幅1

ビジネス

米当局が欠陥調査、テスラ「モデル3」の緊急ドアロッ

ワールド

米東部4州の知事、洋上風力発電事業停止の撤回求める
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 7
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中