最新記事

アメリカ社会

米ミシガン州で「ウイルスより経済が心配」と命知らずの抗議デモ

Michigan Governor Says Protest Against Stay-at-Home Order Was 'Political'

2020年4月17日(金)15時25分
カレダ・ラーマン

「多くの人が怒りを抱えているのは知っている。その怒りを私にぶつけるのは構わない」と彼女は語った。「でも公の場に出てきて無責任な行動を取るのは、自分の命を危険にさらすだけだ。救急隊員など非常時の初期対応にあたる人々を危険にさらし、正しいことをしている人々の安全も脅かすことにもなる」

同知事の報道官であるティファニー・ブラウンは本誌に対して、ウィットマーは「公衆衛生と州民の安全を守ること」を最優先にしていると語った。

「ウィットマー知事は、今は多くの人がもどかしさや怒りを感じていることを理解している」とブラウンは語った。「知事はミシガン州民の言論の自由と抗議する権利を支持しているが、抗議デモに参加する人々は、自分自身や非常時の初期対応にあたる人々を危険にさらすべきではない」

州民が知事を訴追も

ウィットマーは4月9日、ミシガン州の外出禁止命令を4月30日まで延長することを発表した。州民は通院や軽い運動、食料品の買い出し以外は自宅にとどまらなければならない。集会や移動も制限され、「人々の生活を維持、または守る上で必要な」仕事に就いている人を除く全ての労働者も、自宅にとどまるようにという指示だ。

これを受けて14日、ミシガン州に住む4人が「外出禁止命令は憲法で認められている人権を侵害するものだ」として、ウィットマーを相手取り訴えを起こした。この4人の代理人を務めるデービッド・ヘルムは本誌に対して、ウィットマーによる外出禁止命令の延長は「理不尽」であり「やりすぎ」だと語った。

ミシガン州は米国内で新型コロナウイルスの感染者が最も多い州のひとつで、同州保健省によればこれまでに2万8059人が感染し、1921人が死亡している。

20200421issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月21日号(4月14日発売)は「日本人が知らない 休み方・休ませ方」特集。働き方改革は失敗だった? コロナ禍の在宅勤務が突き付ける課題。なぜ日本は休めない病なのか――。ほか「欧州封鎖解除は時期尚早」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で

ビジネス

NY外為市場=円急伸、財務相が介入示唆 NY連銀総

ワールド

トランプ氏、マムダニ次期NY市長と初会談 「多くの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワイトカラー」は大量に人余り...変わる日本の職業選択
  • 4
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中