最新記事

感染症対策

ニューヨーク州知事、市内のすべての公園閉鎖 州内死者2000人に迫る

2020年4月2日(木)10時46分

米ニューヨーク州のクオモ知事は1日、同州の新型コロナウイルス感染症による死者が前日の1550人から1941人に増加したと発表した。写真は閉鎖されたNY市内の公園。29日撮影(2019年 ロイター/EDUARDO MUNOZ)

米ニューヨーク州のクオモ知事は1日、ニューヨーク市内の公園を全て閉鎖すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大抑止を目的とする規則を守らずに、若者が集まることを阻止することが狙い。

同時にニューヨーク市警に対し、一段と強力にソーシャル・ディスタンシング(社会的距離戦略)の実施を市民に促すよう要請した。

ニューヨーク州の新型コロナウイルス感染症による死者は前日の1550人から1941人に増加。感染者は7万5795人から8万3712人に増えた。

ロイターの集計によると、全米では3月31日午後の時点で死者が4700人を超え、21万2000人以上の感染が確認されている。

クオモ知事によると、公園内の遊び場やブランコ、バスケットボールコートなどを閉鎖する一方、市民が「散歩や日光浴」を行う公園内の広場は引き続き利用可能という。

また、新型コロナウイルスの感染拡大は4月末にピークに達するとのデータも示した。

クオモ知事は「若者が依然として規則を守らず、過度に密集している状況があまりに多く見受けられる」と指摘。米海軍の病院船「コンフォート」号を見物するために集まった群衆については「無責任で自己中心的な人々だ」と批判した。

一方、デブラシオ・ニューヨーク市長は記者会見で、月末までに治療用ベッドを追加で6万5000床確保する目標に向け、利用客が大幅に減少している20カ所のホテルに1万床を設置する合意を取り付けたと明らかにした。「これだけの収容能力を確保するのは壮大な取り組みになるが、達成可能な目標だ」と強調した。

カリフォルニア州のニューサム知事は、州内の呼吸器を備えている集中治療室(ICU)のベッドが6週間で足りなくなるとの見通しを示した。同州ロサンゼルス港には米海軍の病院船「マーシー」が停泊して医療支援を行っており、州内の感染者の増加ペースも鈍化の兆しを見せている。

知事は「ニューヨーク州の状況とは全く異なるし、今後もそうであることを願うが、人々が物理的な距離を保ち、対策に貢献し続けなければ、状況は変わるだろう」と警告した。

コネチカット州のラモント知事は、州内の生後6週の乳児が新型コロナで死亡したと発表、全米の死者のなかで最も若い。「誰でも感染する可能性があることが改めて明らかになった」と訴えた。

フロリダ州のデサンティス知事は新型コロナ対策として、2日夜から30日間、不必要な活動全てを制限する行政命令に署名したと発表した。同州のウェブサイトによると、新型コロナ感染者は6490人、死者は85人となっている。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・BCGワクチンの効果を検証する動きが広がる 新型コロナウイルス拡大防止に
・中国からの医療支援に欠陥品多く、支援の動機を疑えとEU警告
・人前で「コロナ」と言ったりマスクをするだけで逮捕される国とは


cover200407-02.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

東証がグロース市場の上場維持基準見直し、5年以内に

ビジネス

ニデック、有価証券報告書を提出 監査意見は不表明

ビジネス

セブン銀と伊藤忠が資本業務提携 ファミマにATM設

ワールド

トランプ氏、日韓の対米投資「前払い」 見解の相違と
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性を襲った突然の不調、抹茶に含まれる「危険な成分」とは?
  • 2
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 3
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 4
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 5
    クールジャパン戦略は破綻したのか
  • 6
    中国、ネット上の「敗北主義」を排除へ ――全国キャン…
  • 7
    【クイズ】ハーバード大学ではない...アメリカの「大…
  • 8
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 9
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 10
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがた…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 7
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 8
    「ミイラはエジプト」はもう古い?...「世界最古のミ…
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中