最新記事

中国

コロナ第2波が中国とアフリカの友好に影を落とす理由

2020年4月20日(月)17時15分
ジェーソン・ハン

アフリカ系への露骨な差別が広がる(広州) BETSY JOLES/GETTY IMAGES

<新型コロナの逆輸入が懸念される中国で、国外渡航歴や感染者との濃厚接触がないアフリカ系住民が検査を強制されたり、14日間の隔離を強いられる露骨な差別が広がっている>

新型コロナウイルスの封じ込めに成功しつつある中国が、コロナ第2波に怯えている。国外からの感染の「輸入」、特にアフリカ諸国出身者からの感染拡大だ。

アフリカ諸国の外交官や報道、SNSなどの情報によると、広東省広州などで、アフリカ系住民への露骨な差別が広がっているという。ホテルから追い出される、逮捕される、パスポートを押収される、などの事例が報告されている。

さらにアフリカ系住民は、国外渡航歴や感染者との濃厚接触がないにもかかわらず、何度もウイルス検査を強制されたり、14日間の隔離を強いられたりしているという。だが中国当局は外国人への監視体制を強化しつつも、差別はないと否定している。

武漢でコロナ禍が猛威を振るっていた時期も、アフリカ諸国は中国政府の手腕を信じ、自国民を退避させるなどの手段は取らなかった。ここにきて噴出したアフリカ系差別は、中国・アフリカの友好関係にも影を落としている。

From thediplomat.com

<2020年4月28日号掲載>

【参考記事】中国、コロナ感染第二波を警戒
【参考記事】コロナに続くもう一つの危機──アフリカからのバッタ巨大群襲来

20200428issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年4月28日号(4月21日発売)は「日本に迫る医療崩壊」特集。コロナ禍の欧州で起きた医療システムの崩壊を、感染者数の急増する日本が避ける方法は? ほか「ポスト・コロナの世界経済はこうなる」など新型コロナ関連記事も多数掲載。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

DBSグループ第1四半期は2%減益、不確実性増大で

ワールド

スロバキアとハンガリー、EUのロシア産ガス輸入停止

ビジネス

配車グラブ、第2四半期にインドネシア同業GoTo買

ビジネス

米ウーバー、第1四半期売上高が予想に届かず 見通し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 2
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 3
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗と思え...できる管理職は何と言われる?
  • 4
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 5
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    「関税帝」トランプが仕掛けた関税戦争の勝者は中国…
  • 8
    あのアメリカで「車を持たない」選択がトレンドに …
  • 9
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 10
    首都は3日で陥落できるはずが...「プーチンの大誤算…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 3
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 9
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 10
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中