最新記事

アメリカ社会

米国、新型コロナウイルス感染者1000人突破 トランプが演説へ

2020年3月12日(木)09時11分

11日トランプ米大統領は、同日午後9時(日本時間12日午前10時)から経済や医療の問題について演説すると発表した。ニューヨークで撮影(2020年 ロイター/Andrew Kelly)

トランプ米大統領は、11日午後9時(日本時間12日午前10時)から経済や医療の問題について演説すると発表した。

この日は米国内で新型コロナウイルス感染者が1000人の大台を超え、米国株式市場のダウ平均<.DJI>は2008年の金融危機以来初めてベア相場入りした。

トランプ氏はツイッターに「コロナウイルスで直面する問題に取り組むため、連邦政府の全ての権限を使う準備が完全に整っている!」と投稿した。

米国内ではコロラド州デンバーでドライブスルー方式のウイルス検査が導入されるなど検査体制が拡充されつつあり、新型コロナ感染者の確認が進むが、政府はまだ、大規模な封じ込め策を打ち出してない。トランプ氏はこれまで、新型コロナについて米国民へのリスクは低いとの見方を示してきた。

一方、世界各国が発表した景気刺激策は市場の動揺を沈静化するには至っておらず、11日の米国株式市場は大幅反落。トランプ政権による財政刺激策の詳細がまだ明らかになっていないことや、ホワイトハウスが新型コロナの省庁間会議を機密扱いに指定したため、内容が共有されず、対応の遅れを招いたとのロイター報道も嫌気された。

世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長はこの日、新型コロナ感染拡大がパンデミック(世界的な大流行)に相当すると表明した。

米国立衛生研究所(NIH)傘下の米国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は議会公聴会で「肝心なのは、状況が今後悪化する見通しだということだ」と強調した。

*内容を追加しました。

[ワシントン/シアトル ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・一斉休校でわかった日本人のレベルの低さ
・豪でトイレットペーパーめぐって乱闘 英・独のスーパーは個数制限で買い占め防止
・ベトナム、日本には強硬だが、中国には黙る韓国政府の対応に疑問の声


20200317issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月17日号(3月10日発売)は「感染症 vs 人類」特集。ペスト、スペイン風邪、エボラ出血熱......。「見えない敵」との戦いの歴史に学ぶ新型コロナウイルスへの対処法。世界は、日本は、いま何をすべきか。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月FOMCで利下げ見送りとの観測高まる、9月雇

ビジネス

米国株式市場・序盤=ダウ600ドル高・ナスダック2

ビジネス

さらなる利下げは金融安定リスクを招く=米クリーブラ

ビジネス

米新規失業保険申請、8000件減の22万件 継続受
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中