最新記事

感染症対策

安倍首相、新型コロナウイルス感染拡大防止へ中韓から入国者抑制 2週間待機や航空機の到着制限

2020年3月5日(木)20時30分

安倍晋三首相(写真)は新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、感染拡大防止のため、中国・韓国からの入国者抑制策を打ち出した。国会で1月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

安倍晋三首相は5日開かれた新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、感染拡大防止のため、中国・韓国からの入国者抑制策を打ち出した。入国者の2週間待機やビザの効力停止、航空機の到着制限を盛り込む。マスク不足解消のため転売禁止や、布製マスクを政府が購入して高齢者や児童に配布することも打ち出した。

中韓からの入国者、公共交通機関利用しないよう要請

安倍首相は「機動的な水際対策を躊躇なく断行するのが不可欠」と述べ、日本への入国を禁止する海外地域に、韓国・慶尚北道の一部地域とイランの一部地域を加え、7日午前0時から実施すると発表した。

国民の不安感を解消するため、中国と韓国からの入国者の検疫を強化し、指定した場所で2週間の待機を要請。同時に入国後、国内において公共交通機関を使用しないよう要請する。

中国と韓国からの入国者総数を抑制するため、両国からの航空機の到着を成田空港と関西空港に限定、船舶による旅客運送は停止する。発行済の一次、数次査証の効力も停止する。

中国と韓国からの入国制限措置は、周知期間を置き、9日午前0時から運用を開始し、3月末まで実施する。

布製マスク2000万枚、配付

来週取りまとめる緊急対策に総合的マスク対策も盛り込み、高額転売が問題となっているマスクの転売行為を禁止する。

再利用可能な布製マスク2000万枚を国が一括購入し、介護施設・障がい者施設・保育所・学童保育現場などに、少なくとも一人一枚配布する。

医療機関向けマスクは、メーカーに増産を要請し、海外からも輸入拡大することで1500万枚を確保し、必要な医療機関に対し、優先配布する。マスクメーカにはさらなる増産支援も行う。

(竹本能文)



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【関連記事】
・新型コロナウイルスは2種類ある── 中国の研究者が「暫定見解」
・イタリアが「欧州の武漢」に なぜ感染は急速に広がったのか
・NY州知事「日本などからの留学生300人チャーター機で帰国へ」


20200310issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年3月10日号(3月3日発売)は「緊急特集:新型肺炎 何を恐れるべきか」特集。中国の教訓と感染症の歴史から学ぶこと――。ノーベル文学賞候補作家・閻連科による特別寄稿「この厄災を『記憶する人』であれ」も収録。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米5月PCE価格、前年比2.3%上昇 個人消費支出

ワールド

プーチン氏、OPECプラスの増産継続示唆 夏季の需

ワールド

トランプ氏、FRBに改めて利下げ要求 パウエル議長

ビジネス

カナダ4月GDP、前月比0.1%減 米関税影響で製
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 2
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急所」とは
  • 3
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 4
    富裕層が「流出する国」、中国を抜いた1位は...「金…
  • 5
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    伊藤博文を暗殺した安重根が主人公の『ハルビン』は…
  • 8
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 9
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 10
    ロシア人にとっての「最大の敵国」、意外な1位は? …
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 7
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 8
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 9
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 10
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中