最新記事

2020米大統領選

サンダースがネバダで圧勝 米民主党指名争いの現状分析

2020年2月24日(月)10時58分

米民主党のネバダ州党員集会でサンダース米上院議員が手にした大きな勝利は、同氏の選挙活動が一段と勢いを増し、これまで同氏を敬遠していた層にまで支持が広がっている状況を示した。写真は勝利演説するサンダース氏、22日テキサス州で撮影(2020年 ロイター/Mike Segar)

米民主党のネバダ州党員集会でサンダース米上院議員が手にした大きな勝利は、同氏の選挙活動が一段と勢いを増し、これまで同氏を敬遠していた層にまで支持が広がっている状況を示した。11月の米大統領選挙に向け、同氏が民主党候補としての指名を獲得する道筋が、少なくとも現時点では、より明確になったと言える。

自他ともに認める民主社会主義者であるサンダース氏の圧勝を目の当たりにした他の候補は、同氏の勢いをどうそぐのか、それぞれの力を競い合うことになる。1週間後の29日にはサウスカロライナ州での予備選があり、その先には指名争いの先行きを決定付ける3月3日のスーパーチューズデーが控えている。

今後、民主党の各候補はどのような選挙戦を展開するのか。各候補の状況と課題を分析する。

サンダース氏:年齢や性別、人種超え支持層が拡大

サンダース氏はこれまでもネバダ州で優勢に立つとみられてきたが、その期待以上に、同氏を支持する人々の結束は広がっている。

調査会社のエディソン・リサーチが行ったネバダ党員集会での調査によると、サンダース氏はラテン系の支持で他の候補者を圧倒し、黒人党員についてはバイデン氏に次ぐ支持を得た。65歳以下でもトップの候補者であり、男女を問わず、カレッジ卒業者や学位のない人々からも最大の支持を受けた。

政党から独立していると考える選挙民にとってサンダース氏はもっとも選択しやすい候補者だった。そして、おそらく同氏の選挙戦にとって最も重要なことだが、11月の大統領選でトランプ氏撃破を最大目的にしている人々は、サンダース氏をバイデン氏よりも好ましい候補者と考えている。

サンダース氏にはすべてが良いニュースとなっている。もしサウスカロライナでサプライズとなる勝利をもぎ取ることができれば、同氏は波に乗ったままスーパーチューズデーを迎えることになるだろう。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

感謝祭当日オンライン売上高約64億ドル、AI活用急

ワールド

ドイツ首相、ガソリン車などの販売禁止の緩和を要請 

ワールド

米印貿易協定「合意に近い」、インド高官が年内締結に

ワールド

ロシア、ワッツアップの全面遮断警告 法律順守しなけ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    エプスタイン事件をどうしても隠蔽したいトランプを…
  • 8
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 9
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 10
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中