最新記事

2020米大統領選

サンダースがネバダで圧勝 米民主党指名争いの現状分析

2020年2月24日(月)10時58分

バイデン氏:サウスカロライナが勝敗の分かれ目に

バイデン前副大統領にとって、ラスベガスの夜の党員集会は勢力回復のカンフル剤となった。開票の早い段階で同氏がサンダース氏に続いて2位につけたことがわかると、「thecomeback kid (失敗からよみがえった者)」という声が人々から上がった。

ほんの少し前まで、ネバダでの投票ではバイデン氏が最も優位に立つとみられていた。実際にはサンダース氏に及ばなかったものの、アイオワとニューハンプシャーの結果が期待とはかけ離れていただけに、同氏にとってネバダでの健闘は選挙戦の立ち直りを宣言するに値する成果だった。特に黒人層からは36%の支持を確保し、サンダース氏の27%とは明確な差がついた。

いま、大統領候補としての指名に向け、バイデン氏はおそらくもっとも重大な1週間に直面している。アフリカ系が多いサウスカロライナで勝つことができなければ、同氏にとって、他の候補者と同様、最終的にサンダース氏の指名を阻止できない可能性がさらに高まるだろう。

ブティジェッジ氏:支持層広がらなければ失速も

前インディアナ州サウスベンド市長のブティジェッジ氏は今回もサプライズをもたらした。ネバダ党員集会で示した3位という強さは、今後も同氏が指名争いにとどまることを意味する。しかし、候補者としての主張がさらに広い層に響かなければ、指名獲得への勢いは限られるかもしれない。

同氏は白人で高学歴の穏健層からは引き続き強い支持を受けている。ただし、非白人層ではまだまだ水面下だ。調査によるとラテン系の支持は9%、黒人層に至ってはわずか2%にとどまっている。

これは黒人層などが多いサウスカロライナでの投票を占ううえで、厳しい結果だ。さらにカリフォルニアやテキサスなどのスーパーチューズデー各州では、同氏が苦しい戦いを強いられる可能性もある。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

駐日中国大使、台湾巡る高市氏発言に強く抗議 中国紙

ビジネス

米国とスイスが通商合意、関税率15%に引き下げ 詳

ワールド

米軍麻薬作戦、容疑者殺害に支持29%・反対51% 

ワールド

ロシアが無人機とミサイルでキーウ攻撃、8人死亡 エ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗り越えられる
  • 4
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 7
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中