米大統領選候補者選び 民主党、新方式採用で何が変わるか

党員集会・予備選への参加促進と透明性の向上を狙って民主党が導入した改革により、今回の指名プロセスはこれまでとはかなり異なったものになるだろう。写真は2月11日、米ニューハンプシャー州ディクビル・ノッチで撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)
民主党が2020年大統領選挙に向けた候補者を正式に指名するのは7月の全国党大会である。アイオワ州党員集会に始まり、続いて11日のニューハンプシャー州、最後は6月のプエルトリコでの予備選挙に至るプロセスだ。
候補者たちの目標は、州ごとに決まる代議員を1991人集めることだ。ミルウォーキーで開催される全国党大会での初回投票で指名を確保するために必要な数である。代議員を獲得するには、州全体、あるいは個々の下院選挙区の投票数の少なくとも15%を集めなければならない。
だが、党員集会・予備選への参加促進と透明性の向上を狙って民主党が導入した改革により、今回の指名プロセスはこれまでとはかなり異なったものになるだろう。
以下でそうした変化のいくつかを説明する。
党員集会の数は減少
2020年、民主党が開催を予定している党員集会は、アイオワ、ネバダ、ノースダコタ、ワイオミングの4州である。18の州・準州で開催された2016年の選挙戦に比べると大幅な減少だ。
党員集会の場合、有権者本人が長時間に及ぶ集会に参加し、挙手や、同じ候補者の支持者とグループを作るなど、公開形式で支持を表明する必要がある。
このプロセスでは参加者が減少し、また雰囲気に呑まれやすいとして、非民主的であると批判されている。有権者自身が参加しなければならず、また日時も定められているため、シフト制の仕事に就いている人や子育て中の人は参加しにくい。
アイオワ州で2月3日に開催された党員集会では、技術的問題の解決に数日を要し、結果の報告が遅れる事態となった。
党員集会では、広範囲に支持を集めている候補者よりも、強く、活動的と思われる候補者のほうが有利になる。たとえば2016年の選挙戦では、バーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員が、ライバルのヒラリー・クリントン候補に比べてかなり有利に戦いを進めた。
これに対して、予備選挙では、有権者は投票所に赴き、自分が支持する候補者の欄にチェックを入れて投票するだけだ。