最新記事

2020米大統領選挙

米大統領選候補者選び 民主党、新方式採用で何が変わるか

2020年2月18日(火)17時32分

党員集会・予備選への参加促進と透明性の向上を狙って民主党が導入した改革により、今回の指名プロセスはこれまでとはかなり異なったものになるだろう。写真は2月11日、米ニューハンプシャー州ディクビル・ノッチで撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

民主党が2020年大統領選挙に向けた候補者を正式に指名するのは7月の全国党大会である。アイオワ州党員集会に始まり、続いて11日のニューハンプシャー州、最後は6月のプエルトリコでの予備選挙に至るプロセスだ。

候補者たちの目標は、州ごとに決まる代議員を1991人集めることだ。ミルウォーキーで開催される全国党大会での初回投票で指名を確保するために必要な数である。代議員を獲得するには、州全体、あるいは個々の下院選挙区の投票数の少なくとも15%を集めなければならない。

だが、党員集会・予備選への参加促進と透明性の向上を狙って民主党が導入した改革により、今回の指名プロセスはこれまでとはかなり異なったものになるだろう。

以下でそうした変化のいくつかを説明する。

党員集会の数は減少

2020年、民主党が開催を予定している党員集会は、アイオワ、ネバダ、ノースダコタ、ワイオミングの4州である。18の州・準州で開催された2016年の選挙戦に比べると大幅な減少だ。

党員集会の場合、有権者本人が長時間に及ぶ集会に参加し、挙手や、同じ候補者の支持者とグループを作るなど、公開形式で支持を表明する必要がある。

このプロセスでは参加者が減少し、また雰囲気に呑まれやすいとして、非民主的であると批判されている。有権者自身が参加しなければならず、また日時も定められているため、シフト制の仕事に就いている人や子育て中の人は参加しにくい。

アイオワ州で2月3日に開催された党員集会では、技術的問題の解決に数日を要し、結果の報告が遅れる事態となった。

党員集会では、広範囲に支持を集めている候補者よりも、強く、活動的と思われる候補者のほうが有利になる。たとえば2016年の選挙戦では、バーモント州選出のバーニー・サンダース上院議員が、ライバルのヒラリー・クリントン候補に比べてかなり有利に戦いを進めた。

これに対して、予備選挙では、有権者は投票所に赴き、自分が支持する候補者の欄にチェックを入れて投票するだけだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ大統領、中南米に空母派遣へ 軍事プレゼンス

ワールド

米朝首脳会談の実現呼びかけ、韓国統一相、関係改善期

ワールド

ロシア特使が訪米を確認、「対話継続を示す証拠」

ワールド

レーガン氏の自由貿易擁護演説が脚光、米カナダ間の新
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...装いの「ある点」めぐってネット騒然
  • 2
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月29日、ハーバード大教授「休暇はXデーの前に」
  • 3
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 4
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 9
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 9
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 10
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中