最新記事

感染症

中国、新型肺炎の死者6人に 感染者は海外も合わせ300人突破 

2020年1月21日(火)20時15分

中国湖北省武漢市で検出され、感染が広がった新型コロナウイルスによるとみられる肺炎は20日、首都北京や上海などでも感染者が確認された。また新華社によると、国家衛生健康委員会は同日、人から人への感染を確認した。羽田空港で撮影(2020年 ロイター/KIM KYUNG-HOON)

中国湖北省武漢市で検出され、感染が広がった新型コロナウイルスによるとみられる肺炎は20日、首都北京や上海、広東省でも感染者が確認された。また新華社によると、国家衛生健康委員会は同日、人から人への感染を確認した。

中国当局は現地時間20日時点で合計291人の感染を確認。270人は武漢市がある湖北省の患者という。

武漢市長によると、市内での感染者数は258人で、死者は6人となった。

20日時点で浙江省当局は新たに5人の感染を確認、広東省でも14人が確認されたという。北京では5人、上海では2人が確認された。

国家衛生健康委員会は現地時間22日午前10時に会見を開く。

中国以外でも確認されており、総感染者数は301人にのぼっている。

韓国疾病予防対策センター(KCDC)は21日、前日に武漢からソウル近郊の仁川国際空港に到着した中国人女性(35)からウイルスを検出したと明らかにした。国内で感染が確認されたのは初めて。到着時に高熱などの症状があったため、すぐに隔離されたと説明した。[nL4N29P07R]

台湾でも発症例が確認された。

フィリピンでも、武漢市に渡航歴のある中国人の男の子がコロナウイルスの検査で陽性反応を示したが、新型かどうかはまだ判明していない。

先週にはタイで2例、日本で1例の感染を確認。患者は全て武漢からの旅行者、または同市を最近訪問していた。

新型肺炎を調査する中国政府の専門家グループのトップを務める鍾南山氏は、肺炎が人から人へ感染することを確認したが、防疫態勢を強化すれば感染拡大に歯止めをかけることができるとの見解を示した。

コロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群(SARS)の対策を率いた実績で知られる鍾氏は、予防措置さえとれば、2002━2003年に世界中に感染が拡大し、800人近くが死亡したSARSのような事態になる危険性はないと語った。

同氏は、感染はまだ初期段階にあり、中国には優れた監視・検疫システムがあるため感染を制御できると話した。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米FTCがグーグルとアマゾン調査、検索広告慣行巡り

ビジネス

中国新築住宅価格、8月も下落続く 追加政策支援に期

ワールド

北朝鮮、核兵器と通常兵力を同時に推進 金総書記が党

ビジネス

中国8月指標、鉱工業生産・小売売上高が減速 予想も
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 4
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 6
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 7
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 8
    【動画あり】火星に古代生命が存在していた!? NAS…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 1
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 2
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中