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米イラン危機:戦争は起きるのか

米イラン危機、次の展開を読む――トランプはどんな代償を払ってでも勝利を目指す

NOT AFRAID TO WAG THE DOG

2020年1月17日(金)15時40分
サム・ポトリッキオ(本誌コラムニスト、ジョージタウン大学教授)

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報復攻撃された米軍の駐留するイラク空軍基地 PLANETーREUTERS

イランが実際に攻撃態勢を緩めている具体的な証拠はない。だが、トランプが戦争に向けて次の一歩を踏み出さなかったことが安心感をもたらしたのは確かだ。

しかしこの演説には、トランプの大統領としての仕事ぶりの全てが凝縮されている。ここから今後のトランプとイランの関係を、いくらか予見することができそうだ。

オバマへの嫉妬という亡霊

まず言えるのは、トランプには問題を解決できないということ。彼が演説で語ったのは、イランがいかに悪い行いをしているか、アメリカがそれに対してどう制裁を科していくかという話ばかり。問題解決に向けた新味のある提案はなかった。

第2に、トランプは自らの不満と、不都合な比較で頭がいっぱいだということだ。コラムニストのポール・ウォルドマンはこう指摘する。

「トランプはさまざまな理由からオバマと、そして自分とオバマを比べる声に取りつかれている。もしかするとそれは、オバマがトランプにはないほぼ全ての美徳を体現しているから。そしてオバマが国内外で集めているレベルの尊敬を、自分は決して得ることができないと知っているからかもしれない」

今回トランプが明言すべきだったのは、ソレイマニのような人物の追跡に資金を出すのはこの政権で最後になるということだった。トランプは大統領に就任して、もう3年になる。それなのに彼の不安感やケチな嫉妬心のせいで戦争が起きたり、アメリカ人の犠牲者が出かねないというのは実に恐ろしい。

第3に、トランプは個人的な勝利にしか興味がない。彼の思考で重要なのは、自分が強く見えることであり、どんな場合でも何か「得をする」ことだ。国民の利益や公益という考え方は、彼には理解できない。

どんな代償を払ってでも、彼は勝つことを目指す。たとえ憲法を無視しても、誰かの評判を汚しても、あるいは世界的な惨事を招くリスクを冒すことになっても。

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