NY外為市場=ドル下落、GDP好調でもFRB利下げ観測が重し
米ドル、ユーロ、ポンドの紙幣。5月4日撮影。REUTERS/Dado Ruvic
[ニューヨーク 23日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではクリスマスを控えた薄商いの中、ドルが円やユーロなどの主要通貨に対し下落した。第3・四半期の米経済成長率が予想を上回ったものの、連邦準備理事会(FRB)に対する利下げ圧力が意識されていることがドル相場の重しになっている。
米商務省が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比4.3%増加した。旺盛な個人消費にけん引され、エコノミスト予想の3.3%を上回って成長。伸びは第2・四半期の3.8%から加速し、過去2年間で最も速いペースでの成長となった。
シルバー・ゴールド・ブル(トロント)の外為・貴金属リスク管理ディレクター、エリック・ブレガー氏は「FRBは労働市場が健全な状態にないと認めざるを得なくなる」とし、「来年は少なくとも第1・四半期にドル安が進む可能性がある」と指摘。「FRBはこれまで以上に(利下げに向け)譲歩を余儀なくされる可能性がある。市場は利下げを求めており、(来年5月に任期が切れるパウエルFRB議長の後任となる)次期FRB議長には、その実現に向けてハト派的な姿勢を取る人物が据えられる可能性が高い」と述べた。
終盤の取引でドル/円は0.5%安の156.26円。
円相場を巡っては、政府・日銀による円買い・ドル売りの為替介入の実施が引き続き警戒されている。こうした中、 片山さつき財務相は23日の閣議後会見で、足元の為替相場の動きについて「ファンダメンタルズを反映しているとは到底思えない」と指摘、投機的な動きも含め、行き過ぎた動きに対しては9月に出した日米財務相共同声明の考え方を踏まえて「対応を取る」と述べた。
シルバー・ゴールド・ブルのブレガー氏は日銀が18─19日に開いた金融政策決定会合で決定した利上げについて「タカ派とは言えない利上げだった」と指摘。「日銀の政策決定会合のたびに、利上げサイクル入りの観測が過度に高まるが、当局者はいつもそうした観測を抑え込む」とし、「観測が抑え込められ続けているため、(現在見られている)値動きの多くは、円高を見込んだポジションの手仕舞いにすぎない」との見方を示した。
主要6通貨に対するドル指数は0.2%安の98.02。
ユーロ/ドルは0.2%高の1.1779ドル。
ドル/円 NY午後3時 156.19/156.20
始値 155.97
高値 156.54
安値 155.88
ユーロ/ドル NY午後3時 1.1789/1.1791
始値 1.1795
高値 1.1801
安値 1.1765





