最新記事

異常気象

世界気象機関「2019年は過去2番目に暑い年、今後も極端な気象に」

2020年1月16日(木)11時30分

世界気象機関は、2019年は地球が観測開始以来2番目に暑い年となったと発表した。写真は2019年10月、ウェスト・ロサンゼルスで撮影(2020年 ロイター/Gene Blevins)

世界気象機関(WMO)は15日、2019年は地球が観測開始以来2番目に暑い年となったと発表した。米航空宇宙局(NASA)や英気象当局など複数のデータを集積した。

19年の地球の平均気温は産業革命前から1.1度上昇、地球生命体に大きな変化が予想される気温上昇の上限として2015年にパリ協定で国際的に合意された1.5度にじわじわ迫っている。

WMOのターラス事務局長は、「残念ながら、2020年とその後の数十年は、記録的な熱により温暖化ガスが大気中に滞留し、極端な気象を助長するとみられる」と述べた。

科学者らは、欧州の熱波や、9月にバハマ諸島を襲って少なくとも50人が死亡したハリケーンなど、2019年の深刻な気象現象は気候変動が一因の公算が大きいとしている。

これまでに最も暑かったのは2016年で、エルニーニョ現象により平均表面温度が産業革命前を1.2度上回った。

WMOの科学者オマール・バッドゥール氏は、「将来、これよりはるかに温度の高いエルニーニョ現象が起きることは想像に難くない」と指摘。WMOは、世界はオーストラリアの広範囲で発生している森林火災のような極端な気象現象がさらに発生する事態に備えるべきとしている。

[ジュネーブ 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



20200121issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年1月21日号(1月15日発売)は「米イラン危機:戦争は起きるのか」特集。ソレイマニ司令官殺害で極限まで高まった米・イランの緊張。武力衝突に拡大する可能性はあるのか? 次の展開を読む。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物は上昇、米原油在庫が予想外に減少

ワールド

ノルウェー、UNRWA支援再開呼びかけ 奇襲関与証

ワールド

米上院、ウクライナ・イスラエル・台湾支援法案を可決

ワールド

全米の大学でイスラエルへの抗議活動拡大、学生数百人
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 8

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中