最新記事

2020米大統領選

疑惑のウクライナ、検察がバイデン氏息子元在籍企業の事件捜査を見直し

2019年10月5日(土)09時13分

ウクライナのルスラン・リャボシャプカ新検事総長(写真)は、ジョー・バイデン前米副大統領の息子が不正を働いた証拠は現時点でないと表明、この問題について海外の弁護士から接触はなかったと述べた。キエフでの記者会見で撮影(2019年 ロイター/Valentyn Ogirenko)

ウクライナ検察当局は4日、米民主党のジョー・バイデン前副大統領の息子であるハンター・バイデン氏が今年まで取締役を務めていたウクライナの天然ガス会社ブリスマ社について、創業者に関連する過去の事件を巡り適切な捜査が行われたかどうかを見直すと発表した。

トランプ米大統領は、7月25日のウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談で、バイデン氏と同氏の息子に関する調査を要求。これを受け、野党・民主党が弾劾調査の開始を発表した。

検察当局は、ブリスマの創業者ミコラ・ズロチェフスキー氏に対する過去の事件の処理が適切だったのかを見直すと発表。当時、ズロチェフスキー氏は前政権の閣僚を務めていた。

検察当局は声明で「捜査の終了が法律に違反していたり、違法な手続きが行われていたことが判明した場合には適切な判断を下す」とした。

ブリスマは現時点でズロチェフスキー氏に対するコメント要請に応じていない。15件の事件に関連している事項や同事件におけるズロチェフスキー氏の立場などは明らかになっていない。

トランプ大統領の顧問弁護士であるジュリアーニ氏は、バイデン氏が2016年にブリスマへの調査阻止に向け当時のウクライナ検事総長だったビクトール・ショーキン氏の解任に動いたと主張。一方、バイデン氏はジュリアーニ氏が「虚偽の陰謀説」を広めていると非難している。

一方、ウクライナのルスラン・リャボシャプカ新検事総長はこの日、ハンター氏が不正を働いた証拠は現時点でないと指摘。会見で、ハンター氏が不正を働いた証拠はあるかとの質問に「私はそのような情報は持っていない」と発言したほか、ジュリアーニ氏から接触はあったかとの質問には、外国人から接触はなかったと応じた。

*内容を追加します。

[キエフ 4日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

インフレ基調指標、10月の刈り込み平均値は前年比2

ワールド

米民主党上院議員、核実験を再開しないようトランプ氏

ビジネス

ノボノルディスクの次世代肥満症薬、中間試験で良好な

ワールド

トランプ氏、オバマケア補助金延長に反対も「何らかの
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 8
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中