最新記事

香港デモ

「できることなら辞任する」香港行政長官キャリー・ラムが語った本音とは?

2019年9月4日(水)10時40分

香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官(写真)が先週、実業家グループとの非公開会合で、香港の政治危機を巡り「言い訳のできない大混乱」を引き起こしたとし、選択肢があるなら辞任すると話していたことが分かった。香港で開かれた記者会見で8月撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が先週、実業家グループとの非公開会合で、香港の政治危機を巡り「言い訳のできない大混乱」を引き起こしたとし、選択肢があるなら辞任すると話していたことが分かった。録音された発言をロイターが確認した。

この中で行政長官は、香港の混乱は米国との緊張が高まる中国にとって国家安全保障・主権の問題となっているため、自身によって解決する余地は「非常に限られている」と説明。英語で「もしも自身に選択肢があるなら」と断った上で「まずは辞任し、深く謝罪することだ」と述べた。

中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案に端を発する6月以降の大規模デモは、幾度となく暴力的な抗議活動も伴い、収束の兆しは見えていない。

林鄭行政長官は、中国政府は今のところターニングポイントに至っていないと示唆。中国政府は10月1日に予定されている国慶節イベントの前に香港危機を終わらせる期限を設けていないとしたほか、人民解放軍を香港の街頭に展開させる計画は「絶対にない」と述べた。

ただ、問題が「国家レベル」になっていることから自身の選択肢はほとんどないと指摘。「残念ながら憲法で2つの主人、つまり中央人民政府と香港市民に仕えなくてはならない行政長官として、政治的な余地は非常に、非常に、非常に限られている」と苦悩をのぞかせた。

この非公開会合に参加した3人の関係者がこれらの発言内容を確認。行政長官の発言は約30分にわたったという。ロイターが入手した録音は24分間。会合は「あらゆる職業の人々」(林鄭行政長官)と行っている数多くの非公開会合の1つ。

林鄭行政長官の報道官は、行政長官が先週、実業家が参加する2つのイベントに出席したことを明らかにした上で、双方ともに事実上私的な会合だったと説明。イベントにおける行政長官の発言内容にコメントする立場にないとした。

中国国務院(内閣に相当)の香港・マカオ事務弁公室からはコメントを得られなかった。

国務院新聞弁公室からは今のところコメントを得られていない。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EXCLUSIVE-ベネズエラ原油の米輸出巡り協議

ワールド

ウクライナ「安全の保証」で合意、有志国連合首脳会合

ワールド

ロシア、ベネズエラ支援継続 「外部干渉受けず自らの

ワールド

再送ウ有志連合、安全の「保証」で拘束力ある約束も 
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが「手紙配達」をやめた理由
  • 4
    「見ないで!」お風呂に閉じこもる姉妹...警告を無視…
  • 5
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 6
    若者の17%が就職できない?...中国の最新統計が示し…
  • 7
    「悪夢だ...」バリ島のホテルのトイレで「まさかの事…
  • 8
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 9
    衛星画像で見る「消し炭」の軍事施設...ベネズエラで…
  • 10
    砂漠化率77%...中国の「最新技術」はモンゴルの遊牧…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中