最新記事

英政治

独走ジョンソンは英首相の器なのか

The Last Tory Prime Minister?

2019年6月26日(水)17時40分
オーエン・マシューズ

対EUや英議会で新たに挫折を味わうことになっても、ジョンソンなら持ち前の人間的魅力で誰よりも有権者の心をつかめるかもしれない。ただし、有権者の間では離脱支持が弱まりつつある。いくら最強硬派にアピールできても、総選挙で勝てる戦略にはつながらないだろう。

いつもは冷静な論調のエコノミスト誌も、6月8日号の論説で「保守党党首選では茶番劇とばらまき合戦が混然としてきた」と言葉を荒らげた。「各候補は10月31日という非現実的な期限に固執し、魔法の交渉力を持っているかのように主張して『合意なき離脱』という玉砕覚悟の政策を掲げる。狂信的な仲間に囲まれ、きれいに離脱すると叫べばいい気分かもしれない。だが、それは墓場に至る道だ」

保守党議員は、ジョンソンへのさまざまな思いをのみ込んで彼に投票したのかもしれない。総選挙をにらんで、悪い選択肢のうち最もましな候補を選ぼうという窮余の策だ。だが、それは正しい判断なのか。ジョンソンの元側近は、彼が「保守党最後の首相になる可能性は十分ある」と語っている。

From Foreign Policy Magazine

<本誌2019年7月2日号掲載>

20190702issue_cover200.jpg
※7月2日号(6月25日発売)は「残念なリベラルの処方箋」特集。日本でもアメリカでも「リベラル」はなぜ存在感を失うのか? 政権担当能力を示しきれない野党が復活する方法は? リベラル衰退の元凶に迫る。


ニューズウィーク日本版 非婚化する世界
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月17日号(6月10日発売)は「非婚化する世界」特集。非婚化と少子化の波がアメリカやヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ワーナー、動画配信・映画とCATVの事業切り分け

ワールド

アングル:トランプ政権の職員削減、国立公園にも打撃

ワールド

米軍、ロサンゼルスへの海兵隊700人の派遣を確認

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダック上昇、米中貿易協議
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 3
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 4
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット…
  • 5
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 6
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 7
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 8
    プールサイドで食事中の女性の背後...忍び寄る「恐ろ…
  • 9
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 10
    救いがたいほど「時代錯誤」なロマンス映画...フロー…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中