最新記事

環境

トイレ掃除・下水検査など4億人近くが失職? ロボットが変える「3K労働」

2019年5月8日(水)17時00分

3億人以上が職を追われる

そもそも人間にとって、極度に有害な仕事が近ごろ誕生している。例えば、都市住民の健康状態を知るために下水を分析するといった作業だ。

棒の先にバケツをつけて下水を採取していたマサチューセッツ工科大学(MIT)センサブル・シティー・ラボのカルロ・ラッティ教授は、汚水が体にかかることにうんざりし、同僚の研究者たちに助けを求め、「ルイージ」の開発に至った。

ルイージは今やボストン、ソウル、ケンブリッジ、クウェート市で下水採取を行い、研究者らはそれを分析することで、インフルエンザが流行する兆しがあるか、米国ではオピオイド系鎮痛剤の摂取が上昇傾向にあるか、リアルタイムで知ることができる。

ルイージが排泄物を採取する一方、「ピーナツ」はそれを掃除してくれる。

カリフォルニア大学バークレー校で生まれたピーナツは、まだ開発段階。ピーナツ・ロボティクス社によると、準備が整い次第すぐ市場に投入し、年内にはホテルチェーンのレッドライオン・ホテルで仕事に取り掛かると予定だという。

「洗剤は漂白剤がベースで、そうした薬品に毎日触れるのは危険だ」と、ピーナツ・ロボティクスのジョー・アウゲンブラウン最高経営責任者(CEO)は言う。「便器を床に固定するボルトの周りなどは毛やチリがたまりやすく、そこを掃除するには四つん這いになって便器に顔を近づけなければならない。非常に不快な作業だ」

コンサルティング会社マッキンゼーによると、2030年までに業務の自動化によって転職を余儀なくされる人は3億7500万人に上る。その一方で、ロボットを管理するなど、新しい仕事も発生するとみられる。

ロボットに使われる主要部品の価格が下がり、人工知能(AI)ソフトの能力が向上するなか、そうした未来はすぐそこに迫っている。トイレブラシをピーナツのようなロボットに譲り渡す日は近いだろう。

(3月5日 ロイター)


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 イラン革命防衛隊
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月24号(3月17日発売)は「イラン革命防衛隊」特集。イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英、米軍による基地使用承認 ホルムズ海峡攻撃巡り 

ビジネス

米国株式市場=大幅続落、中東緊迫の長期化がインフレ

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、利下げ観測後退で週間では下

ワールド

米政権、AI政策で統一的枠組み 州規制の標準化狙う
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 2
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラリアの「NVES規制」をトヨタが切り抜けられた理由
  • 3
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「嘘でしょ!」空港で「まさかの持ち物」を武器と勘…
  • 9
    将来のアルツハイマー病を予言する「4種の先行疾患」…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中