最新記事

ベネズエラ

欧州各国、ベネズエラ暫定大統領を承認 中南米諸国も支持で強まるマドゥロ包囲網

2019年2月5日(火)10時37分

この日の欧州主要国の動きを受け、ベネズエラのマドゥロ大統領は欧州との関係を見直すと反発。スペインを名指しし、「クーデターが起こり、西側諸国が軍事介入に動けば、サンチェス首相よ、あなたの手は血で汚れることになる」と批判した。

ポンペオ米国務長官は、EUによるグアイド氏の暫定大統領承認を歓迎すると表明し、他国の追随を促すとした。

ロシアは欧州諸国が干渉しているとして非難。ペスコフ大統領報道官は記者団に対し「ある種の決定の強要、もしくは権力奪回の動きを正当化しようとする試みは、直接的、関節的な干渉にほかならない」と述べた。

外交筋によると、イタリアはEUが声明草案で示した見解に反対を表明。ブリュッセルを訪れているアイルランド外相も「ベネズエラ国民が民主的な決定を行えるよう、自由で公平な選挙が実施されることを望んでいる」と述べ、イタリアと同様にグアイド氏の暫定大統領承認に反対する姿勢を示した。

EU非加盟国のノルウェーもグアイド氏を暫定大統領として承認しない方針を表明している。

米州14カ国で構成する「リマ・グループ」のうち11カ国はグアイド暫定大統領への支持を再表明し、自由な選挙の実施を求めた。

同グループはオタワで開いた会議の後に声明を発表し、マドゥロ政権による海外での金融・貿易取引やベネズエラの海外資産へのアクセス、石油・金などの資産取引を阻止するよう国際社会に呼びかけた。マドゥロ大統領の退陣に向けた動きに反対するメキシコは会議を欠席した。

リマ・グループは先月、ベネズエラ政府高官の渡航禁止と海外資産の凍結を発表した。

カナダのトルドー首相は、グアイド暫定大統領が選ぶ人物をベネズエラの正統な駐カナダ大使として認めると表明した。

[マドリード/パリ/ブリュッセル/オタワ 4日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 日本時代劇の挑戦
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月9日号(12月2日発売)は「日本時代劇の挑戦」特集。『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』 ……世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』/岡田准一 ロングインタビュー

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トルコ、ロシア産ガス契約を1年延長 対米投資も検討

ワールド

米国がAUKUS審査結果提示、豪国防相「米は全面的

ワールド

アングル:大火災後でも立法会選挙を強行する香港政府

ビジネス

リオ・ティント、コスト削減・生産性向上計画の概要を
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%しか生き残れなかった
  • 2
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇気」
  • 3
    日本酒の蔵元として初の快挙...スコッチの改革に寄与し、名誉ある「キーパー」に任命された日本人
  • 4
    【クイズ】17年連続でトップ...世界で1番「平和な国…
  • 5
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 6
    【クイズ】日本で2番目に「ホタテの漁獲量」が多い県…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    台湾に最も近い在日米軍嘉手納基地で滑走路の迅速復…
  • 9
    高市首相「台湾有事」発言の重大さを分かってほしい
  • 10
    見えないと思った? ウィリアム皇太子夫妻、「車内の…
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 6
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 7
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 8
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 5
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中