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中国のAI巨大戦略と米中対立――中国政府指名5大企業の怪

2019年2月12日(火)15時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

二つ目に重要なのはビッグデータの処理に必要な量子コンピュータの存在だ。中国はアメリカにやや先んじて量子コンピュータの試験的制作に成功しているので、必ずしも全てがアメリカの後塵を拝することになるとも限らない。

なんと言っても中国は一党支配体制を維持するために、何としてもAIによる徹底した監視社会を完遂しなければならない「国運」がかかっているという必死さがある。それも無視できない要因の一つだ。

中国の場合はAIを監視するAIが必要

もっとも中国の場合は、AIを監視するAIが必要となるかもしれない。「深く学習した」AIたちは、ネットユーザーの質問に「正直に答える」という「誠実さ」を持つようになった。

たとえば「中国共産党は好きですか?」と聞かれると「大嫌いです!」と、多くの中国人の心を素直に代表した回答をする。それはそうだろう。ディープラーニングは、14億の人民の行動や思考をデータ化しているのだから。

また、習近平政権のスローガンである「中国の夢」とは何かとAIに聞くと、「アメリカに移住することです」と、これもまた正直に答える。

これではAIによる監視社会どころか、AIが反乱を起こしかねない。こんなAIが育たないように、中国共産党を礼賛するAIによって「一般AI」を監視しなければ、中国共産党の一党支配体制が崩壊するかもしれないという、ブラック・ジョークのような結末も待っていないではない。そちらに期待しようか。


endo2025.jpg[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『「中国製造2025」の衝撃 習近平はいま何を目論んでいるのか』(2018年12月22日出版)、『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』、『毛沢東 日本軍と共謀した男』、『卡子(チャーズ) 中国建国の残火』(中英文版も)、『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』、『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』、『チャイナ・ジャッジ 毛沢東になれなかった男』、『中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす』など多数。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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