最新記事

虐待

口に入れたおしゃぶりをテープで固定された赤ちゃん

Woman Sticks Pacifier To Newborn’s Mouth With Tape

2019年1月8日(火)15時40分
プリザ・ポール

赤ちゃんははかなく、親も選べない RyanJLane/iStock.

<泣かれるのがいやだった、という虐待母は赤ん坊をこのまま置いて家に帰っていた>

口に入れたおしゃぶりをテープで固定された状態で、赤ちゃんが病院のベッドでもがく様子を撮影した動画がソーシャルメディアに投稿された。

場所はロシアのイングーシ共和国にあるリパブリカン周産期センター。1月6日、苦しそうな赤ちゃんを見かけた人が動画を撮影した。地元メディアによると、被害に遭ったのは男の子の赤ちゃんで、母親が幼児虐待を認めている。病院で赤ちゃんに泣いてほしくなかったのだという。

英紙デイリーメール・オンライン版の報道によると、撮影者はこんなコメントを付けている。「神経質な人は、この動画を見ないほうがいい。赤ちゃんはいま、暖房のない寒い病室にいる。母親はいない。男児は肺が悪いのに、口に入れたおしゃぶりをテープで留められている」

動画のなかで赤ちゃんはしきりに目をパチパチたり、頭を左右に振ったりしているが、おしゃぶりは出ない。咳をしたりつばを吐くこともできず、呼吸困難になりかねない。赤ん坊は毛布でくるまれているが、寒くて凍えているように見えたという。

誰も助けず

動画では、男児のくぐもった泣き声が聞き取れる。動画の撮影者は、赤ちゃんの口からおしゃぶりを取り出す代わりに、新生児ベッドに掲示されている情報を大きく映し出す。

同周産期センター医長のカディ・アゲルチヴァは、新生児の健康を損なうような不適切な行為はなかったと言った。逆に撮影者を非難して、この動画のせいで従業員の士気が下がったと語った。

地元メディアの取材に応じた病院関係者の話によると、動画に映っている赤ちゃんは9月に誕生した。まだ退院できない理由はわかっていない。関係者はさらに、通常であれば付き添っているはずの母親は、動画が撮影された時間には自宅でほかの子どもたちと一緒にいたと述べている。

動画が投稿されると、たちまち怒りのコメントが寄せられた。あるユーザーは「かわいそうな赤ちゃん。生まれたばかりなのに、もうつらい目に遭っている」と投稿。別のユーザーは「私もあの病院で子供を産んだ。ぞっとする体験だった」と述べている。

警察は、虐待がすぐに発見されなかった理由を含めて捜査中だ。

(翻訳:ガリレオ)

ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

米、極端な寒波襲来なら電力不足に陥る恐れ データセ

ビジネス

英金利、「かなり早期に」中立水準に下げるべき=ディ

ビジネス

米国株式市場=S&P4日続落、割高感を警戒 エヌビ

ワールド

ゼレンスキー氏が19日にトルコ訪問、ロシアとの交渉
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中