最新記事

ブレグジット

英EU離脱担当相ら辞任、協定案閣議承認に抗議 与党にメイ首相降ろしの動きも

2018年11月16日(金)07時00分

11月15日、英国のラーブ欧州連合(EU)離脱担当相(写真中央)は、メイ首相の離脱協定案に抗議し、辞任した。ロンドン市内で14日撮影(2018年 ロイター/Henry Nicholls)

英国のラーブ欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)担当相が15日、EUとの間で合意したメイ首相の離脱協定素案が前日の臨時閣議で承認されたことに抗議し、辞任した。与党内ではメイ氏の不信任投票を求める動きもあり、素案の存続をかけて首相は厳しい局面に立たされている。

英国政府は14日の臨時閣議でEUからの離脱協定素案を承認したが、閣議決定は全会一致ではなかった。

ラーブ氏は「EU離脱協定案に関する昨日の閣議を受け、私は遺憾ながら辞任しなければならない」とツイッターに投稿。

同氏は、首相の協定案では英国の一体性が脅かされるとも指摘し、「協定案を支持することができない」と述べた。

またマクベイ雇用・年金相も辞任を表明。マクベイ氏はメイ首相に宛てた書簡で「昨日閣議に提出された協定案は、国民投票の結果を尊重していない」と抗議した。

このほか、閣外相2人と政務官2人も辞任した。議員らによると、他にも辞任する閣僚が出るとの見方があるという。

こうした中、与党・保守党のEU懐疑派リーダーであるリースモグ議員がメイ党首の不信任投票を求める書簡を提出。同議員は離脱協定素案について「想定よりひどい」と指摘した。

不信任投票は保守党議員48人が要求すれば実施され、315議員のうち半数以上が賛成すれば、メイ氏は党首を退くことになる。

あるEU懐疑派議員は、さらに多くの議員が書簡提出に動いていると述べた。

これに対し、メイ首相は議会で「選択は明確だ。合意なしの離脱を選べるし、ブレグジットなしというリスクを負うこともできる。また一致団結し、交渉可能な最善の合意を支持することも選べる」と強調し、一歩も引かない構えを示した。

報道官は、メイ氏が不信任投票に立ち向かうとし、来年のEU離脱時も首相にとどまっている意向だと述べた。

一方、メイ氏の離脱案に批判的なジョンソン前外相は、リースモグ議員らが不信任投票の見通しについて協議する会合に参加。リースモグ氏は、次期首相にはブレグジットを信じている人物がなるべきだと記者団に語った。

[ロンドン 15日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 BTS再始動
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月7号(3月31日発売)は「日本企業に迫る サステナビリティ新基準」特集。国際基準の情報開示や多様な認証制度――本当の「持続可能性」が問われる時代へ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ロシア、経済スパイ理由に外交官追放 英外務省反発

ワールド

高市首相、赤沢氏を重要物資安定確保担当相に任命 対

ワールド

スペイン、米軍機の領空通過を拒否 対イラン攻撃で

ワールド

英住宅ローン承認件数、2月は3カ月ぶり高水準 今後
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 2
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度を決める重要な要素とは?
  • 3
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカートニー」を再評価する傑作映画『マン・オン・ザ・ラン』
  • 4
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 5
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 6
    【銘柄】東京電力にNTT、JT...物価高とイラン情勢に…
  • 7
    ヒドラのように生き延びる...イランを支配する「革命…
  • 8
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    カタール首相、偶然のカメラアングルのせいで「魔法…
  • 1
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 4
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 5
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 6
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    縫いぐるみが相棒、孤独なサル「パンチくん」がバズ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中