最新記事

移民

トランプ、米国を目指す移民集団問題で中米への援助削減を表明 国境警備隊や軍に警戒指示

2018年10月23日(火)11時05分

10月22日、トランプ米大統領は、中米から米国を目指して北上する移民集団(キャラバン・写真)の問題は国家の非常事態で、中米3カ国への援助を削減すると言明した。メキシコ・タパチュラで21日撮影(2018年 ロイター/UESLEI MARCELINO)

トランプ米大統領は22日、中米から米国を目指して北上する移民集団(キャラバン)の問題は国家の非常事態で、中米3カ国への援助を削減すると言明した。

トランプ大統領はツイッターへの投稿で「グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルは移民集団の出国と米国への不法入国を阻止することができなかった」とし、米国が実施してきているこれら3カ国への経済援助を「停止、もしくは大幅に削減する」と述べた。

トランプ氏はさらに「悲しいことにメキシコの警察や軍隊は米南部国境に向かうキャラバンを制止できないようだ。これは国家の非常事態であり、私は国境警備隊や軍隊に警戒するよう指示した」と述べた。

中間選挙を前に共和党の支持拡大に向け、移民問題に強硬な姿勢を示したものとみられる。

トランプ氏はまた、記者団に対し、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルは米国の海外援助で「多額の資金」を得ているにもかかわらず、「他の多くの国と同様に米国のために何もしていない」と述べた。

さらに証拠を示さず、「犯罪者や身元不明の中東出身者」がキャラバンに紛れ込んでいると語った。

民主党のニタ・ローウィ下院議員は、援助削減に関するトランプ氏の発言について「資金に関する権限は大統領ではなく、議会にあることを無視」していると批判。議会は中米諸国の人々が母国を去る根本的な原因にこれらの国が対処できるよう支援しているとし、「資金削減は問題を悪化させる」と指摘した。

メキシコのナバレテ内相は22日、記者会見で、ホンジュラス人1128人がメキシコで難民認定を申請したと明らかにした。

メキシコのペニャニエト大統領はこれとは別に、ビジネス会議で、規則に従わないキャラバンはメキシコにとどまることも米国に到達することもできないと語った。

米国防総省のデービス報道官は、国境付近では現在、州兵が国土安全保障省の支援に当たっているとした上で、国防総省は支援を求められていないと説明した。

トランプ大統領就任後、米国は中米諸国への援助を大幅に縮小。米政府の公式データによると、来年までに、グアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル3カ国を合わせた経済援助は2016年の水準から約40%減少する見通し。

[ワシントン/タパチュラ(メキシコ) 22日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 習近平独裁の未来
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年2月17号(2月10日発売)は「習近平独裁の未来」特集。軍ナンバー2の粛清劇は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」強化の始まりか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

米1月CPI、前年比2.4%上昇 伸び鈍化し予想も

ワールド

米・ロ・ウクライナ、17日にスイスで和平協議

ワールド

米中外相、ミュンヘンで会談 トランプ氏の訪中控え

ビジネス

EU貿易黒字が縮小、米関税と中国の攻勢が響く
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    50歳には「まったく見えない」...信じられないレベルの「若見え」な女性の写真にSNS震撼
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に─…
  • 7
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 8
    「ショックすぎる...」眉毛サロンで「衝撃的な大失敗…
  • 9
    毛沢東への回帰? それとも進化? 終身支配へ突き…
  • 10
    「ドルも弱い」なのになぜ、円安が進む? 「ドル以外…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 6
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 7
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 8
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 9
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中