最新記事

環境問題

英バーバリー、年間40億円相当の売れ残り品焼却処分取りやめへ 毛皮使用も中止

2018年9月7日(金)18時01分

9月6日、英高級ブランドのバーバリーは、ブランド価値を守るために行っていた売れ残り製品の焼却処分を取りやめ、ミンクやアライグマといった動物の毛皮を製品に使うのも中止すると表明した。写真は昨年11月撮影(2018年 ロイター/Toby Melville)

高級ブランドのバーバリーは6日、ブランド価値を守るために行っていた売れ残り製品の焼却処分を取りやめ、ミンクやアライグマといった動物の毛皮を製品に使うのも中止すると表明した。いずれも世論の反発に配慮し、企業としての信頼性を高めようとする取り組みだ。

マルコ・ゴベッティ最高経営責任者(CEO)は「現代の高級品(メーカー)は社会的にも環境面でも責任を負っているという意味だ」と語った。

バーバリーは7月に売れ残り品を破棄していたことを認めた。4月までの年度に破棄されたのは、香水などの美容製品1000万ポンドを含む2860万ポンド(約40億8000万円)相当で、前年の2690万ポンドから増加。これらは総じてディスカウント・アウトレット経由では売却されず、製造から5年以上が経過していた。

これからは、再利用や修理、寄付、リサイクルに努めるとともに、過剰在庫を減らすためにターゲットを絞り込んだ品ぞろえや生産量縮小を目指すと強調した。

エクサンBNPのアナリスト、ルカ・ソルカ氏は、バーバリーのこうした方針発表で他の高級品メーカーも売れ残り品の扱いに関する透明性を向上させる必要に迫られると指摘。「持続可能性を巡る関心はゆっくりだが確実に、高級品の消費者にとって重要な要素になっている」と述べた。

バーバリーの毛皮使用打ち切りは、ヴェルサーチやグッチのブランドなどに追随した動きでもある。動物愛護団体「PETA」は、バーバリーの対応を歓迎し、「時代の流れを象徴している」とコメントした。

[ロンドン 7日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ジョン・レノン暗殺の真実
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月16日号(12月9日発売)は「ジョン・レノン暗殺の真実」特集。衝撃の事件から45年、暗殺犯が日本人ジャーナリストに語った「真相」 文・青木冨貴子

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国政府系ファンドCIC、24年純利益は前年比30

ビジネス

独ティッセンクルップ、26年は大幅赤字の見通し 鉄

ビジネス

ドイツ輸出、10月は米・中向け大幅減 対EU増加で

ビジネス

グーグル、AI学習でのコンテンツ利用巡りEUが独禁
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 9
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 10
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中