最新記事

中国共産党

習主席、貿易戦争めぐる対外宣伝活動「完全に正しい」と強調 党内異論ねじ伏せ

2018年8月23日(木)14時35分

8月22日、中国の習近平国家主席(写真)は、対外宣伝担当の政府高官が開いた会議で、同国のこれまでの宣伝活動は「完全に正しい」との認識を示した。写真は北京で5月撮影(2018年 ロイター/Jason Lee)

中国の習近平国家主席は、対外宣伝担当の政府高官が開いた会議で、同国のこれまでの宣伝活動は「完全に正しい」との認識を示した。国内には、米国との貿易摩擦を巡り情報発信の問題を指摘する声があるが、これに反論した格好となった。

関係筋がこれまでロイターに明らかにしたところによると、共産党内部では、過度に国家主義的な中国の姿勢が米国の態度硬化を招いた可能性があるとの批判が出ており、党内に亀裂が生じているという。

ただ、習主席は会議で、2012年に開かれた中国共産党全国代表大会以降、対外宣伝活動は成功しており、大きな前進を遂げていると強調した。国営メディアが22日遅くに発言の内容を伝えた。

習主席は「優れた伝統文化が広く宣伝され、中心的な世論は引き続き統制され、強化されている。文化的な自信が強調され、国内の文化的ソフトパワーや中国の文化的影響が大幅に強まった」と指摘。

その上で「宣伝・イデオロジー担当の党機関による政策作りが完全に正しく、宣伝・イデオロギー担当の当局者は完全に信頼できることが実際に証明されてきた」と述べた。特定の問題には言及しなかった。

習主席はまた、インターネットは「道徳的に正しく」あるべきだと述べ、文化や芸術に関する低俗なコンテンツを排除する必要性を訴えた。

新華社通信が1月に政府統計を引用して伝えたところによると、中国が2017年に閉鎖した「有害」サイトは12万8000件に上った。

規制当局はまた、ネットで掲載される動画の取り締まりも強化している。

ただ、中国には活発な情報発信を行っているブロガーが多くいる。

習主席は会議で、文化・芸術に従事する人々は表現において質を確保し、責任を示すほか、法律を守る必要があると強調。低俗なコンテンツは排除すべきとした上で、「より健全で高品質なネット上の文化・芸術作品を前面に押し出す」よう訴えた。

[北京 22日 ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2018トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

植田総裁、21日から米国出張 ジャクソンホール会議

ビジネス

中国のPEセカンダリー取引、好調続く見通し 上期は

ワールド

マスク氏が第3政党計画にブレーキと報道、当人は否定

ワールド

訪日外国人、4.4%増の340万人 7月として過去
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
特集:台湾有事 そのとき世界は、日本は
2025年8月26日号(8/19発売)

中国の圧力とアメリカの「変心」に危機感。東アジア最大のリスクを考える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 2
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人」だった...母親によるビフォーアフター画像にSNS驚愕
  • 3
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家のプールを占拠する「巨大な黒いシルエット」にネット戦慄
  • 4
    【クイズ】2028年に完成予定...「世界で最も高いビル…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    広大な駐車場が一面、墓場に...ヨーロッパの山火事、…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    【クイズ】沖縄にも生息、人を襲うことも...「最恐の…
  • 9
    習近平「失脚説」は本当なのか?──「2つのテスト」で…
  • 10
    時速600キロ、中国の超高速リニアが直面する課題「ト…
  • 1
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 2
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに感染、最悪の場合死亡も
  • 3
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...「就学前後」に気を付けるべきポイント
  • 4
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 5
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 6
    「死ぬほど怖い」「気づかず飛び込んでたら...」家の…
  • 7
    「笑い声が止まらん...」証明写真でエイリアン化して…
  • 8
    「長女の苦しみ」は大人になってからも...心理学者が…
  • 9
    「何これ...」歯医者のX線写真で「鼻」に写り込んだ…
  • 10
    【クイズ】次のうち、「海軍の規模」で世界トップ5に…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 8
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 9
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 10
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中