最新記事

中国

福田元首相「南京大虐殺」記念館訪問での言葉に、抗日記念館元職員・方軍氏が憤り

2018年7月2日(月)15時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

拙著を掲げる抗日戦争記念館元職員・方軍氏(方軍氏提供)

6月24日福田元首相が「南京大虐殺」記念館を訪問。抗日戦争記念館元職員で館長の日本人との腐敗を摘発して解雇された方軍氏は、日本人は真の歴史と現実に目をつぶって日中友好を唱え、民主活動家を切り捨てていると憤る。

福田康夫元首相が「南京大虐殺」記念館を訪問

6月24日、福田康夫元首相が中国の江蘇省南京市江東門付近にある「南京大虐殺記念館(中国語の正式名称は侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館)」を訪問した。中国共産党の機関紙「人民日報」が大きく報じた。電子版「人民網」の日本語版にも同じ記事が転載されている。

同記念館を訪れた日本の首相経験者は、村山富市、海部俊樹、鳩山由紀夫各氏に続いて4人目となる。

福田氏は犠牲者に花輪を手向け、黙とうを捧げるなどの一連の行事を終えた後、記者団に「日本人はもっと過去の事実を正確に理解しなければならない。多くの日本人が記念館を参観すべきだ。より多くの日本の政治家に記念館を訪れ、この歴史に触れてほしい」などと語った。

中国外交部の陸慷報道官も26日、「日本の有識者が歴史を正視し、平和を呼びかけた」として称賛の意を表明した。

抗日記念館元職員の方軍氏から憤りのメールが

今年5月14日のコラム「中国の抗日戦争記念館元職員・方軍氏の告発――同館館長らの汚職隠蔽」でご紹介した方軍氏から早速メールがあった。長いので要約する。

1.私のウェイボー(微博、マイクロブログ)とウィーチャット(微信、WeChat)はすでに当局によって閉鎖されていますが、あなたが私の告発を日本で発表して下さってから、当局は私を罰する手段もなく、嫌がらせだけをしています。なんと、「腐敗撲滅」を謳っている習近平政権が、「腐敗」という単語に敏感になり、場合によっては一種の禁止用語として検閲の対象にし始めたのです。

2.私が勤めていた抗日戦争記念館では張承均・元館長らが抗日戦争寄金をネコババして免職処分となったあとに館長となった李宗遠氏が某日本人から賄賂を受け取ったり、記念館に献納された日本製の車を個人名義にしたことは前に書きましたが、抗日なんて表面上の建前だけのこと。それは抗日戦争記念館だろうと南京大虐殺記念館だろうと同じことです。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

Temuの中国PDD、第4四半期売上高・利益が予想

ワールド

米メタとグーグルに損害賠償評決、未成年者SNS依存

ワールド

中東紛争長期化は成長に打撃、インフレ期待押し上げ 

ワールド

EXCLUSIVE-米、ドンバス全域割譲を和平条件
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」モナコ舞踏会に見る富と慈善
  • 2
    意外と「プリンス枠」が空いていて...山崎育三郎が「日本産ミュージカルの夢」に賭ける理由【独占インタビュー】
  • 3
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終回に世界中から批判殺到【ネタバレ注意】
  • 4
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 5
    「有事の金」が下がる逆説 イラン戦争で市場に何が…
  • 6
    デンマーク王妃「帰郷」に沸騰...豪州訪問で浮かび上…
  • 7
    まずサイバー軍が防空網をたたく
  • 8
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 9
    地上侵攻もありえる...イラン戦争が今後たどり得る「…
  • 10
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」…
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公開...母としての素顔に反響
  • 3
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 6
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 7
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 8
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店…
  • 9
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中