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業界再編

出光と昭和シェル19年4月に経営統合 経営側と創業家に村上世彰が仲介

2018年7月10日(火)16時00分

村上氏に感謝

昭和シェルとの共同会見に先立ち、出光興産が行った記者会見の冒頭で月岡会長は旧「村上ファンド代表」の村上世彰氏について、「創業家の相談相手になり、公正な立場から経営統合の必要性について助言いただいたことが当社と創業家の関係改善につながった」と異例の謝意を述べた。村上氏の関連会社は最近、出光興産株を取得している。

「通産官僚として長く石油業界にも携わり、需要が急速に減退している中で統合は重要な取り組みであると彼が認識して、それをベースに創業家にもご助言をいただいた」と月岡会長は説明した。

出光興産によると、今回、統合に同意したのは出光興産株の約13%を保有する日章興産と出光昭介名誉会長の長男である正和氏。創業家の他の株主の賛否については不明だが、会社側はこれで臨時株主総会で承認を得るのに充分な賛同を得たとしている。

日章興産の代理人である久保原和也弁護士は、報道機関に向けた電子メールで「経営統合後も創業者の理念が維持されることを確認することができたと判断し、合意することとした」と述べた。

ただ、「これまでの経緯や立場などから、創業家側の株主の全員が今回の会社提案を受け入れたわけではない」としている。

(浦中 大我 編集:石田仁志)

[東京 10日 ロイター]


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