最新記事

ランニング

東京マラソンも「笑顔」で! ランニングのパフォーマンスを上げるコツ

2018年2月23日(金)17時00分
松丸さとみ

マラソンは「笑顔」で 今すぐできるパフォーマンスを上げるコツ Toru Hanai-REUTERS

<「東京マラソン」がとうとう今週末。「笑顔がランニングのパフォーマンスを向上させる」という研究が発表された>

一流アスリートは競技中、笑顔

国内最大級のマラソン大会「東京マラソン」がとうとう今週末にせまったが、参加する人たちは最後の調整に励んでいるところだろう。もう日数も少ないのでできることはあまりない......と思っている人もいるかもしれない。そんな人たちにぜひお伝えしたい、当日できるレースの秘訣とも言える実験結果がこのほど発表された。

「笑顔がランニングのパフォーマンスを向上させる」という記事が、学術誌「サイコロジー・オブ・スポーツ・アンド・エクササイズ」に掲載されたのだ。発表したのは、英国北アイルランドのアルスター大学の講師、ノエル・ブリック氏を中心とした研究者チーム。ブリック氏は英紙デイリー・メールに対し、「ランニングやサイクリングのイベントで、選手が笑顔でいるのに気づき、この戦略が耐久性の求められる活動に実際に計測可能な影響を与えるのか、好奇心をそそられました」と、研究の動機を語っている。

ブリック氏はまた、研究チームのメンバーであるリチャード・メトカーフ氏と一緒に書いた学術系ニュースサイト「ザ・カンバセーション」の記事で、リオ五輪のマラソン金メダリスト、エリウド・キプチョゲ選手を含むトップ・アスリートが、リラックスしたり競技に耐えたりするために時々笑顔になっている、と指摘している。

「ザ・カンバセーション」の記事によると実験では、普段から走り込んでいるレベルのランナー24人に、トレッドミルの上で6分間のランニングを4パターン走ってもらった。1つ目のパターンはまず「笑顔で走る」。これは、作り笑いではなく本物の笑顔であることがポイントだという。2つ目は、「しかめ面で走る」。これは、自分が普段、懸命に走っている時の顔を再現してもらった。3つ目は、「意図的に手と上半身をリラックスさせて走る」。ポテトチップスを親指と人差し指の間に挟んで持っていると想像し、それを割らないように走るイメージをしてもらったそうだ。そして最後は、「通常通り走る」だった。また、ランニング時は酸素マスクをつけてもらい、どれだけエネルギーを使ったかを計測した。そして各セッションの後に、それぞれの走り方でどう感じたかを報告してもらった。

笑顔はしかめ面よりもパフォーマンスが上がる

4つの走り方の中で、最も効率が良い(使用エネルギーが少ない)走り方だったのは、「笑顔で走る」だった。笑顔で走った場合、しかめ面で走った時より2.8%、普段通りの走り方よりも2.2%、効率が良かったという。意図的にリラックスした「ポテチ走り」は、普段の走りと比べ特に効率の良さは見られなかったそうだ。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

情報BOX:イランはどこまで核兵器製造に近づいたか

ビジネス

マイクロソフトのオープンAI出資、EUが競争法違反

ビジネス

午前の日経平均は急落し1260円安、中東情勢が拍車

ワールド

イスラエル北部でサイレン音=イスラエル軍
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の衝撃...米女優の過激衣装に「冗談でもあり得ない」と怒りの声

  • 3

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 4

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 5

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 6

    「イスラエルに300発撃って戦果はほぼゼロ」をイラン…

  • 7

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 8

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 9

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 10

    紅麴サプリ問題を「規制緩和」のせいにする大間違い.…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 4

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 5

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 8

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 9

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 10

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中