最新記事

中国

習近平はなぜ平昌五輪に出席しないのか?――中国政府関係者を直撃取材

2018年2月12日(月)10時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

昨年12月14日、文在寅大統領は習近平国家主席に平昌冬季五輪出席を懇願 Nicolas Asfouri−REUTERS

平昌冬季五輪には、閉幕式も含めて習近平国家主席が出席しないこととなった。なぜ出席しないのか、また現在進行中の南北朝鮮融和策に対して、中国はどう思っているのか、中国政府関係者に直接聞いた。

開会式には韓正氏が、閉会式には劉延東氏が

2月9日に韓国の平昌(ピョンチャン)で始まった冬季五輪の開会式に、中国政府からは新チャイナ・セブン(中共中央政治局常務委員7名)の党内序列最下位(No.7)の韓正氏が出席した。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、昨年5月に大統領に就任して以来、何度も中国の習近平国家主席に平昌冬季五輪の開会式に出席してくれと懇願してきた。そのため昨年12月に文在寅大統領は訪中して習近平国家主席と会談したのだが、習近平国家主席から出席するという言葉を引き出すことができず、今年1月16日に、中国外交部は韓正氏を派遣すると発表した。

中国のネットでは、「ハハハ......、小七(シャオ・チー)が行くのか」などといった冷やかしのコメントが見られた。「小七」の「小」という文字は侮蔑の意味を表しており、「七」はいうまでもなく「党内序列No.7」を指す。「なんだ、官位の低い者しか派遣しないじゃないか」という、韓国あるいは文在寅大統領を嘲笑したものだ。

文在寅大統領は、「それならせめて閉会式に出席してほしい」と習近平国家主席との電話会談で懇願したようだ。特に2022年には中国の北京と河北省張家口で冬季五輪を開催するので、閉幕式に参加して旗を受け継ぐ形を取ってほしいと希(こいねが)ったとのこと。しかし中国側は習近平国家主席の出席はあり得ず、それなりにハイレベルの者を派遣するとしていた。

それでも諦めきれない文在寅政権は懸命の努力を重ねていたのだが、2月9日に、国務院副総理の劉延東氏(72歳、女性)が閉会式に出席することが決まったと、韓国の「朝鮮日報」が伝えた。数多くの中文メディアが報道している。劉延東氏は、来月3月5日から開催される全人代(全国人民代表大会)で国務院副総理を離任する。

なぜ習近平は出席を拒んだのか――中国政府関係者を直撃取材

そこで、なぜ習近平国家主席が平昌冬季五輪に出席しないのか、中国政府関係者に聞いた。また、今般の冬季五輪における南北対話など一連の現象を中国はどう思っているのかに関しても直接尋ねた。報道には噂レベルの憶測が多いからだ。

ニュース速報

ワールド

米政府、イランの政策変更なければ「最も厳しい」制裁

ビジネス

トランプ大統領、中国が米農産物を大量購入で合意と発

ビジネス

中国、負債圧縮と金融リスク対策を「積極的に」実施へ

ビジネス

日銀の政策運営は妥当と民間議員が評価=諮問会議で安

MAGAZINE

特集:統一朝鮮本当のリスク

2018-5・22号(5/15発売)

人口7600万人の新国家が朝鮮半島に誕生したとき戦略なき日本は「地経学」的チャンスを失うかもしれない

人気ランキング

  • 1

    結婚式はハリー王子の「禊」 呪縛を解き放ったメーガンの「操縦術」がすごい!

  • 2

    韓国、アベンジャーズ1000万人の大ヒット その影でヤバすぎる誤訳問題が炎上

  • 3

    北朝鮮から軍将校と住民が「脱北」 19日未明に黄海上で韓国側へ亡命

  • 4

    メーガン・マークルはダイアナの二の舞にはならない

  • 5

    「英王室はそれでも黒人プリンセスを認めない」

  • 6

    ハリー王子の元カノが結婚に尻込みしたワケ

  • 7

    結婚はしたけど、メーガン・マークルのビザ取得には…

  • 8

    北朝鮮リスクとは中国リスク

  • 9

    「北の急変は中国の影響」なのか?──トランプ発言を…

  • 10

    デジタル化が組織を変え、組織の変化がツールを進化…

  • 1

    北朝鮮から軍将校と住民が「脱北」 19日未明に黄海上で韓国側へ亡命

  • 2

    北の「日本メディア外し」は日本への歪んだ求愛

  • 3

    愛犬が2足歩行し始めた! 近所をざわつかせたその正体は

  • 4

    米でうつ病が5年で33%増、その理由は...

  • 5

    韓国、アベンジャーズ1000万人の大ヒット その影で…

  • 6

    朝鮮半島「統一」の経済的恩恵は大きい、ただし......

  • 7

    「孤独のグルメ」が広がる韓国〜変わる韓国の日本食…

  • 8

    「英王室はそれでも黒人プリンセスを認めない」

  • 9

    アメフト悪質タックル事件を、アメリカから考えると

  • 10

    2度見するしかない ハマってしまった動物たちの異様…

  • 1

    北朝鮮から軍将校と住民が「脱北」 19日未明に黄海上で韓国側へ亡命

  • 2

    「いい加減にしないと暴動起こす」北朝鮮国民の不満が爆発寸前

  • 3

    「何かがおかしい...」国のやり方を疑い始めた北朝鮮の人々

  • 4

    北の「日本メディア外し」は日本への歪んだ求愛

  • 5

    左耳を失った米女性兵士、前腕で育てた耳の移植手術…

  • 6

    「売春島」三重県にあった日本最後の「桃源郷」はい…

  • 7

    愛犬が2足歩行し始めた! 近所をざわつかせたその正…

  • 8

    中身なし、マニュアル頼み、上から目線......「日本…

  • 9

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 10

    14億人を格付けする中国の「社会信用システム」本格…

グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版

SPECIAL ISSUE 丸ごと1冊 プーチン

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2018年5月
  • 2018年4月
  • 2018年3月
  • 2018年2月
  • 2018年1月
  • 2017年12月