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核・ミサイル開発

北朝鮮のミサイル実験が失敗した意味

2018年1月12日(金)15時10分
アンキット・パンダ(ディプロマット誌編集者)、デーブ・シュメラー(ミドルベリー国際大学院モントレー校ジェームズ・マーティン不拡散研究センター)

時計の針は巻き戻せない

ミサイル発射実験に関する数点の画像は、先制攻撃と武力衝突の防止を試みるアメリカとその同盟国にとって、北朝鮮によるミサイル発射実験の準備行動に関する判断材料となる。その中には、IRBMを設置した輸送起立発射機の車両の前に金正恩が立っている写真もあった。

アメリカとその同盟国にとって、これは大きな警鐘だ。主流の見方に反して、北朝鮮のミサイルは発射台に据え付けられたままではないことを示している。

さらに格納庫やトンネルが建設されたり、収容施設が拡大されたりしたのが北倉飛行場だけだとは考えにくい。同様の施設が北朝鮮全土に存在する可能性は高い。

北朝鮮は昨年、多種多様な戦略兵器の実験を行っただけでなく、これまでになくさまざまな施設から発射した。金正恩が新浦、東倉里、元山など、限られた基地だけで発射を見守っていた時代はもう過ぎ去った。

火星12、14、15型のようなミサイルは全て液体燃料を使用しているため、発射前に燃料を充塡しなくてはならない。アメリカの情報機関がその動きを察知することはできるが、早くても発射の2~3時間前だ。

北朝鮮には、さらにやれることがある。例えば燃料を充塡するときは堅牢な格納庫内部でミサイルを水平にし、輸送起立発射機を使用して発射準備をしていると分かる動きを減らすといったことだ。

北朝鮮ではIRBMやICBMの生産が続き、さまざまな施設に多様な核兵器が配備されるだろう。北朝鮮に報復攻撃をさせないほど包括的に無力化する先制攻撃を行うことは不可能に近くなる。

そしてもちろん、北朝鮮の弾道ミサイル計画について時計の針を巻き戻すことは、とっくの昔に不可能になった。

本誌2018年1月16日号[最新号]掲載


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