最新記事

テクノロジー

ディズニーが認めたテクノロジーアーティスト深澤研 MR技術で世界に魔法をかける

2018年1月5日(金)12時50分
鳥山愛恵(本誌記者)

tyffon-001.jpg

想像を超える世界を生む深澤 TYFFON INC.

手掛けたのはティフォン社の深澤研CEO。彼の穏やかな口調からは想像できないが、新時代のホラーエンターテインメントの仕掛け人として世界でも注目される実力派だ。

超リアルな6万匹のイナゴと亡者

深澤の出世作は2010年に発表した『ゾンビブース』シリーズ。ユーザーの顔写真をリアルな3Dゾンビに加工するアプリだ。今でこそ同タイプのアプリがひしめき活況を呈する分野だが、その先駆けとも言える。

一般的に1000万ダウンロード(無料)で大ヒットとされる業界で、シリーズ累計4000万ダウンロードを達成。今も毎年ハロウィーンの時期には、通常の約10倍の勢いでダウンロード数が伸び続けている。

シリーズ第2弾の『ゾンビブース 2』 TYFFON/YouTube

深澤が設立したティフォンは2014年、シリコンバレーでも有名なスタートアップ支援プログラム「ディズニー・アクセラレーター」の第1期生としてアジアから唯一選ばれ、インキュベイトファンドから100万ドルを調達した。この資金を元に作ったのがCorridorだ。

技術に疎い人にも「これはすごい」と感じさせるCorridorの魅力は、圧倒的な没入感にある。それを実現するには、体験者が自分や同伴者の姿を見えるようにすること、その世界を見るだけでなく歩き回れるようにすることが必要と考えた深澤たちは、「マジックリアリティ」という独自システムを開発した(商標登録と特許を申請中)。

さらに、作り物じみた残念感がない点も没入感を生み出す重要な要素。従来のMRコンテンツは最初こそ目新しさに驚かされるが、慣れるに従って薄っぺらく感じるようになる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、ハードテクノロジー投資のVCファンド設立=国

ワールド

金・銀が最高値、地政学リスクや米利下げ観測で プラ

ワールド

中国、26─30年に粗鋼生産量抑制 違法な能力拡大

ビジネス

26年度予算案、過大とは言えない 強い経済実現と財
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 5
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 9
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 10
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 5
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 6
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 9
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 10
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中