最新記事

EU

フランス、イタリア、ベルギーなど公的債務がEU基準に違反する恐れ

2017年11月24日(金)11時00分

11月22日、欧州委員会は、ユーロ圏6カ国が欧州連合(EU)財政基準を来年破る可能性があるとの見方を示した。写真はブリュッセルの欧州委員会本部、6月撮影(2017年 ロイター/Francois Lenoir)

欧州委員会は、ユーロ圏6カ国が欧州連合(EU)財政基準を来年破る可能性があるとの見方を示した。イタリア、フランス、ベルギーはEUが要求する水準に公的債務を減らすことができないとしている。

欧州委はギリシャを除くユーロ圏加盟国の2018年予算案を分析、各国の想定がEU基準に沿っているかを審査した。

ドイツ、リトアニア、ラトビア、ルクセンブルク、フィンランド、オランダ、エストニア、アイルランド、キプロス、マルタ、スロバキアの各国は完全、あるいは概して安定成長協定での規定に沿っているとした。

ベルギー、イタリア、オーストリア、ポルトガル、スロベニアは基準に沿わないリスクがあるとし、フランスも同様と指摘した。

協定での基準は国内総生産(GDP)比で財政赤字を3%以下、公的債務を60%以下とするよう求め、景気の影響を勘案しないベースでの財政均衡・黒字化を求めている。

債務削減も求めているが、フランス、ベルギー、イタリアは規定に沿ったペースで債務を削減していないとし、特にイタリアには懸念を表明した。「根強い高水準の政府債務が懸念」とし、来年春に再度削減度合いを評価する方針を示した。

財政赤字上限を10年にわたり上回っているフランスについて、今年は3%を下回る可能性があるが、構造赤字を来年、十分に減らさない場合は再び基準を上回るとの見通しを示した。

欧州委はユーロ圏19カ国に対し、総じて中立的な財政スタンスを推奨した。

[ブリュッセル 22日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が

ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで軟調、円は参院選が重し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中