最新記事

中国

習近平「海外メディア歓迎」強調しつつ、主要イベントに一部招待せず

2017年10月26日(木)11時05分

10月25日、中国の習近平国家主席は、外国人記者らに中国各地を訪問して報道を増やすよう促し、海外メディアを歓迎する姿勢を示した。新最高指導部の発表会見で拍手する同国家主席。北京で撮影(2017年 ロイター/Jason Lee)

中国の習近平国家主席は25日、外国人記者らに中国各地を訪問して報道を増やすよう促し、海外メディアを歓迎する姿勢を示した。

ただ、中国外国人記者クラブ(FCCC)によると、中国は5年に一度の共産党大会を受けた新たな最高指導部人事の発表イベントに、海外メディアの英BBC、エコノミスト、フィナンシャル・タイムズ(FT)、ガーディアン、米ニューヨーク・タイムズ(NYT)の5社を招待しなかった。

ロイターの記者は2人招待された。

習主席は、中国や海外の記者団を前に「われわれは記者に中国各地を訪問し、知識を深め、中国のさまざまな側面を報道し続けるよう奨励する」と述べた。

また「他者から称賛される必要はないが、客観的な報道や建設的な見解を歓迎する」と語った。質問は受けなかった。

習政権下で中国はインターネットや市民社会を巡るさまざまな側面に関する検閲や取り締まりを強化しており、メディア監視団体によると、海外メディアの中国での報道環境はここ数年に悪化している。

FCCCは海外のニュースメディアが除外されたことを批判した。

エコノミストとFTの北京支局長は中国側から招待がなかったことをロイターに確認した。NYTの広報担当者は、申請したが招待されなかったと明らかにした。

BBCは声明で「習主席の記者会見への出席を拒否されたことに失望している。BBCは引き続き、中国に関して公正で客観的な報道を行っていく」とした。

ガーディアンは、同社が招待されなかったことに言及した記事を掲載した。

[北京 25日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

【お知らせ】ニューズウィーク日本版メルマガのご登録を!
気になる北朝鮮問題の動向から英国ロイヤルファミリーの話題まで、世界の動きを
ウイークデーの朝にお届けします。
ご登録(無料)はこちらから=>>

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

豪中銀、予想通り政策金利据え置き 利上げ急がない姿

ビジネス

香港、IPO申請の質の維持を投資銀行に要請 上場急

ワールド

トランプ政権の風力発電プロジェクト承認停止は無効、

ビジネス

マクロスコープ:青森沖地震、懸念される経済損失 専
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...かつて偶然、撮影されていた「緊張の瞬間」
  • 4
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 5
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 6
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 7
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「…
  • 10
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 7
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 10
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中