最新記事

朝鮮半島

トランプ、金正恩の斬首部隊を韓国へ 北朝鮮に加え中国にも圧力か?

2017年10月18日(水)17時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

従来、米軍はB1-Bを昼に朝鮮半島へ飛行させていたが、9月23日深夜から24日未明にかけて初めて夜間に展開。海洋上の国境ともいえる北方限界線を超えて北朝鮮を威圧するように飛行。それに続き今月10日も夜間飛行を実施したのは北朝鮮へ向けて奇襲侵入を示し軍事的圧力を一段高める狙いがあったと軍事専門家は分析する。

一方、海上では16日まで日本の海上自衛隊と共同訓練をした原子力空母ロナルド・レーガンの艦隊が日本海へ入り、イージス駆逐艦・世宗大王など韓国軍艦船と合流。20日まで合同演習を行っている。またこれに先だって7日に慶尚南道鎮海港に攻撃型原子力潜水艦ツーソン、13日に釜山港に原子力潜水艦ミシガンがそれぞれ入港しており、今回の演習に参加しているものとみられている。

空母ロナルド・レーガンはF/A-18戦闘機のほか早期警戒機など70機あまりを搭載し、航空乗務員2500人を乗せており、巡洋艦、駆逐艦を従え第5空母打撃群を構成。これだけで中小国の軍事力と匹敵する攻撃能力があるという。一方、攻撃型原子力潜水艦ツーソンは、1600〜2300キロ離れた遠距離でも正確に目標を破壊するトマホーク巡航ミサイルを搭載。原子力潜水艦ミシガンもトマホークを最大154発搭載できるほか、金正恩の斬首作戦実行を担当する特殊作戦隊員が搭乗しているという。


空母ロナルド・レーガンの演習とソウルADEXの開幕を伝える韓国のニュース SBS / YouTube


実働部隊以外も派遣し空軍力を誇示

また実働部隊ではないが、最新の米空軍機がソウルに集結していることも注目されている。これは京畿道城南(ソンナム)にあるソウル空軍基地で、「ソウル国際航空宇宙・防衛産業展(ソウルADEX)」が17日から開催されているからだ。

韓国メディアの朝鮮日報などによると、この展示会にはF-22とF-35Aのステルス戦闘機やB-1B戦略爆撃機のほか、無人偵察機、輸送機、空中給油機、早期警戒管制機、海上哨戒機などが参加。隔年で開かれているソウルADEXだが、これほど多岐にわたる米軍用機が展示されるのはきわめて異例だ。

韓国軍の関係者は「早期警報機と偵察機、空中給油機、戦闘時の遭難乗務員救出作戦に必要なヘリコプター、特殊作戦部隊の展開に利用される輸送機など、B-1B編隊が北朝鮮爆撃任務を遂行する際に実際に投入される米軍の航空資産が網羅されている。非武装状態で展示されてはいるが、米国の"軽挙妄動するな"という対北朝鮮メッセージが鮮明だ」と語った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

イスラエル、ガザ停戦協定の履行再開と表明 空爆で1

ビジネス

米エヌビディア時価総額5兆ドル到達、世界初 AIブ

ビジネス

ボーイング「777X」、納入を27年に延期 損失計

ビジネス

カナダ中銀、2会合連続で0.25%利下げ 利下げサ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    コレがなければ「進次郎が首相」?...高市早苗を総理に押し上げた「2つの要因」、流れを変えたカーク「参政党演説」
  • 3
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」にSNS震撼、誰もが恐れる「その正体」とは?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【クイズ】開館が近づく「大エジプト博物館」...総工…
  • 6
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 7
    リチウムイオンバッテリー火災で国家クラウドが炎上─…
  • 8
    怒れるトランプが息の根を止めようとしている、プー…
  • 9
    「ランナーズハイ」から覚めたイスラエルが直面する…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 9
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任…
  • 10
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元…
  • 1
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 9
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中