最新記事

スペイン

カタルーニャ州首相、正式な独立宣言延期 スペイン中央政府と協議へ

2017年10月11日(水)10時10分

10月10日、スペイン・カタルーニャ自治州のプチデモン首相は、州の独立を宣言する一方、中央政府との協議を可能にするため、効力は一時停止すると発表した。バルセロナ市内のようす(2017年 ロイター/Susana Vera)

スペイン・カタルーニャ自治州のプチデモン首相は10日、独立の権利を主張する一方、中央政府との協議を可能にするため、正式な独立宣言は延期すると発表した。

首相は州議会に対し「住民投票の結果、共和国としてのカタルーニャ独立を実現する権利を得た」とした上で「問題解決での合意に不可欠な話し合いを行うため、宣言の効力の一時停止を提案する」と述べた。

プチデモン氏とカタルーニャの政治家はその後、カタルーニャの「完全な主権」を主張する文書に署名したが、法的効力があるかどうかは不透明だ。

文書では「全ての国や国際機関にカタルーニャ共和国を独立主権国家として認めるよう求める」としている。

ラホイ政権はカタルーニャを巡る対応を11日に協議する予定だ。

プチデモン氏の演説を受け、州議会による独立宣言採択を大画面で見ようと議事堂の外に集まった独立支持派の間では落胆が広がった。

中央政府は「法律で認められている範囲内」での対話を行う考えを重ねて示しており、このことは、中央政府にとり独立は選択肢にないことを意味していると解釈されている。

また、中央政府のサエンス副首相は、中央政府との交渉でプチデモン首相が求める欧州連合(EU)などの仲介を拒否する考えを示した。

カタルーニャの独立宣言を巡っては、ラホイ政権だけでなく、EUのトゥスク大統領も反対している。

また、フランスのマクロン大統領は、スペインはこの問題に対処できるとし、EUの仲介は必要ないとの考えを示している。

[バルセロナ 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

3メガバンクなど、ステーブルコイン共同発行・検証へ

ワールド

中国レアアース輸出、10月は前月比9%増 4カ月ぶ

ワールド

スイス石油商社ガンバ―、露ルクオイルの資産買収提案

ワールド

トランプ氏、中央アジア首脳と会談 重要鉱物確保へ連
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 5
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 6
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中