最新記事
米軍

朝鮮有事想定、米軍核搭載爆撃機26年ぶりの臨戦態勢へ準備

2017年10月24日(火)14時48分
グラハム・ランクトゥリー

北朝鮮を挑発し続けるトランプに、アメリカでも不穏な空気が漂い始めた Kevin Lamarque-REUTERS

<適切な行動がかつてなく重要な世界情勢に備えて万全の準備をすると、米空軍参謀総長は言った>

ドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩党委員長との間の緊張が高まる中、米空軍は、核爆弾を搭載したB-52戦略爆撃機を24時間の臨戦態勢に置く準備を進めている。もしそうなれば26年ぶりのことだ。

米空軍のデービッド・ゴールドファイン参謀総長は10月22日、防衛・外交専門サイト「ディフェンス・ワン」のインタビューに応え、「特定の事態に備えるというより、アメリカが置かれている世界情勢の現実と今後のために、万全の準備を整えることを考えている」と述べた。

米戦略軍司令部や北方軍から臨戦態勢の命令が出たわけではない。しかし、米統合参謀本部のメンバーであるゴールドファインは、現在の政治情勢なら、臨戦態勢命令が下る可能性はあると述べた。「これは、われわれが準備万端であることを確実にするもう1つのステップだ」

前回、B-52が24時間の臨戦態勢に置かれたのは冷戦時だ。世界11カ所に置かれていた米空軍の戦略航空軍団(当時)の基地で、核爆弾を搭載した約40機のB-52が常時、大統領から命令があれば即離陸できるよう待機していた。しかし、冷戦終了後の1991年、当時のジョージ・H・W・ブッシュ大統領が臨戦態勢を解いた。

軍事的選択肢をチラつかせるトランプ

24時間の臨戦態勢に戻る可能性は、元外交官らを懸念させている。モスクワ駐在の外交官経験を持ち、元ウクライナ大使を務めたスティーブン・パイファーはツイッターで、「B-52を再び臨戦態勢に置くのはコストが高くつくが、その正当性はきわめて理解しがたい」と述べた。

かつて米国防長官の広報戦略アドバイザーを務めたアダム・ブリックスタインもツイッターで、「何かが起ころうとしている感じで不安だ」と述べ、トランプが10月20日金曜日(現地時間)、空軍パイロット1000人の現役復帰を認める大統領令に署名したことを指摘した。

米空軍報道官は10月22日、メールで声明を発表し、「パイロット不足に対処するために元パイロットを復帰させる」予定はないと観測を否定した。

トランプは今夏、北朝鮮政府が大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を繰り返し行ったことを受け、軍事行動を示唆。「世界がこれまで目にしたことのないような炎と怒りに直面することになる」と警告していた。北朝鮮は、地下核実験も実施している。

ジェームズ・マティス米国防長官は10月3日、上院軍事委員会の席上で、アメリカは「軍事的な選択肢を持つ」必要があるとしながら、自分とレックス・ティラーソン国務長官は、トランプから外交努力を進めるよう指示を受けていると述べた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、有事の買い続き159円台後

ビジネス

米1月求人件数、694.6万件で予想上回る 採用は

ワールド

米国防長官、イラン報道でCNNを批判 トランプ氏朋

ビジネス

米GDP、25年第4四半期改定値0.7%増 速報値
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切りは常軌を逸している」その怒りの理由
  • 3
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド太平洋防衛
  • 4
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 5
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 6
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 9
    謎すぎる...戦争嫌いのMAGAがなぜイラン攻撃を支持す…
  • 10
    北極海で見つかった「400年近く生きる生物」がSNSで…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中