最新記事

アメリカでベジミート=植物性の肉が人気 遜色ない味と健康志向で

2017年8月14日(月)16時10分

8月3日、動物性の肉の代わりに、見た目も食感も肉そっくりな「植物由来の肉」を使ったハンバーガーが、夏のバーベキューシーズン真っ盛りの米国で人気を博している。写真は米カリフォルニア州で2016年10月に開かれた植物性肉のハンバーガー試食会(2017年 ロイター/Beck Diefenbach)

動物性の肉の代わりに、見た目も食感も肉そっくりな「植物由来の肉」を使ったハンバーガーが、夏のバーベキューシーズン真っ盛りの米国で人気を博している。まだまだニッチな製品だが、世界の市場規模は2020年までに50億ドル(約5500億円)に達するとみられている。

植物性の原料で作った肉の代替品は昔から売られていたが、最近では野菜のビーツを使って肉色に着色し、カノーラ油で肉の脂のようなジューシーさを加えるなどして、本物の肉と区別がつかないほどの製品が登場している。

こうした「進化」は消費者の心をつかんでいるだけでなく、食肉加工最大手の1つタイソン・フーズの関心も呼んだ。

タイソンは昨年10月、植物性肉メーカーの「ビヨンド・ミート」(カリフォルニア州)に5%出資した。タイソンのトム・ヘイズ最高経営責任者(CEO)は、植物性タンパク源の需要は、動物性タンパク源よりもやや早いペースで伸びていると述べた。

シカゴ西郊の小さな教会で最近開かれたバーベキューの会でも、こうした傾向は明らかに見てとれた。

バーベキューグリル5台で、定番のスペアリブやソーセージ、ホットドッグと並んで、ベジ(野菜)バーガーが焼かれていた。教会メンバーのダグ・パーカーさんによると、ベジタリアンの食品は、子どもや若者の肥満対策として2年前から使うようになった。

「ライフスタイルを変えないといけなかったが、ベジバーガーは大好きだ。昔のものは野菜みたいな味がしたが、今は全然違う」と、8年前に糖尿病と診断され、肉を食べる量を減らしたというパーカーさんは言う。

米国で、5月初旬から9月までの夏のバーベキューシーズンは、祝日が3日入ることもあり、ハンバーガーやスペアリブ、ステーキ、そして今では、ベジバーガーのような肉の代替製品の売り上げが伸びる時期だ。

調査会社ニールセンによると、小売肉の2016年売上高の約764億ドルのうち、約237億ドルがこの期間に売れた。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

スイス中銀、第1四半期の利益が過去最高 フラン安や

ビジネス

仏エルメス、第1四半期は17%増収 中国好調

ワールド

ロシア凍結資産の利息でウクライナ支援、米提案をG7

ビジネス

北京モーターショー開幕、NEV一色 国内設計のAD
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中