最新記事

対テロ戦争

イラクのアバディ首相、モスルでISIS勝利宣言「テロ国家は失敗し崩壊」

2017年7月11日(火)10時33分

7月10日、イラクのアバディ首相は、北部モスルで過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いに勝利したと宣言した。写真は、首相の発表を受け、勝利を祝う市民ら。モスルで撮影(2017年 ロイター/Khalid al Mousily)

イラクのアバディ首相は10日、北部モスルで過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いに勝利したと宣言した。

ISは2014年にモスルを制圧し、「国家樹立」を宣言。イラク軍、クルド人勢力、イスラム教シーア派民兵は昨年10月にモスル奪還作戦を開始し、米軍主導の有志連合が支援してきた。

首相は国営テレビで放送された演説で「偽りのテロリスト国家は失敗し、崩壊した」と強調し、兵士らと有志連合に謝意を示した。

その上で、社会の安定やIS組織の一掃などの任務がまだあり、「これには情報・治安面での努力と、ISとの戦いを可能にした結束が必要だ」と語り、イラク国旗を掲げた。

アバディ首相は9日にモスル入りし、軍司令官らを祝福した。

有志連合は声明で、イラク軍がモスルを奪還したと発表。ただ、一部地域で爆発物を処理する必要があり、ISの残党がいる可能性があると指摘した。

また、モスルが奪還されてもISの脅威は続いているとし、米軍のタウンゼンド中将は「イラク全土でISを掃討し、ISの勢力拡大を許した状況を復活させないために」イラク国民の結束を求めた。

トランプ米大統領はイラクを祝福し、ISは長くは存続しないと述べた。ティラーソン米国務長官は、モスルでの勝利がISとの戦いで「重要な節目」になると語った。

国連のグランデ人道調整官(イラク担当)は、人道の危機はまだ終わっておらず、支援を必要とする人々がいると指摘した。

[モスル/アルビル(イラク) 10日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

FBIが複数の捜査官解雇、デモ隊の前でひざまずく姿

ワールド

NZは現時点パレスチナ国家承認せず、停戦の取り組み

ワールド

米国務省、コロンビア大統領のビザを取り消し 「暴力

ワールド

トランプ氏、マイクロソフトに幹部解任を要求 前政権
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
特集:ハーバードが学ぶ日本企業
2025年9月30日号(9/24発売)

トヨタ、楽天、総合商社、虎屋......名門経営大学院が日本企業を重視する理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び出した父親が見つけた「犯人の正体」にSNS爆笑
  • 2
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、Appleはなぜ「未来の素材」の使用をやめたのか?
  • 3
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国はどこ?
  • 4
    琥珀に閉じ込められた「昆虫の化石」を大量発見...1…
  • 5
    高校アメフトの試合中に「あまりに悪質なプレー」...…
  • 6
    砂糖はなぜ「コカイン」なのか?...エネルギー効率と…
  • 7
    週にたった1回の「抹茶」で入院することに...米女性…
  • 8
    国立西洋美術館「オルセー美術館所蔵 印象派―室内を…
  • 9
    「戻れピカチュウ!」トルコでの反体制デモで警官隊…
  • 10
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 1
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 2
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分かった驚きの中身
  • 3
    筋肉はマシンでは育たない...器械に頼らぬ者だけがたどり着ける「究極の筋トレ」とは?
  • 4
    日本の小説が世界で爆売れし、英米の文学賞を席巻...…
  • 5
    【動画あり】トランプがチャールズ英国王の目の前で…
  • 6
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ…
  • 7
    トイレの外に「覗き魔」がいる...娘の訴えに家を飛び…
  • 8
    コーチとグッチで明暗 Z世代が変える高級ブランド市…
  • 9
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 10
    【クイズ】世界で1番「がん」になる人の割合が高い国…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 4
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    東北で大腸がんが多いのはなぜか――秋田県で死亡率が…
  • 10
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中