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孤立深まるトランプ政権 共和党議員も距離置き始める

2017年5月23日(火)18時21分

5月19日、トランプ米大統領が孤立を深めている。この1週間はロシアを巡る疑惑報道が相次ぎ、米大統領史で見ても最も困難な週の1つとなった。写真はホワイトハウスで18日撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

トランプ米大統領が孤立を深めている。この1週間はロシアを巡る疑惑報道が相次ぎ、米大統領史で見ても最も困難な週の1つとなった。同じ共和党の議員らもトランプ氏から距離を置き、わが道を行き始めているようだ。

しかも数多くの連邦機関の幹部ポストが未だ空席のままとあって、トランプ氏は官僚の動きを抑えてくれる忠臣集団を欠いたままという状態。トランプ氏の取り巻きは、官僚らが大統領を傷付ける意図で情報をリークしていると信じている。

この結果、四方八方で問題が生じている。政府は議会、連邦機関、国民、いずれとの絆も弱くなり、改革は掛け声倒れ。大統領の支持率が低いため、共和党は2018年議会中間選挙での勝利が脅かされている。

ホワイトハウスの複数の側近がロイターに語ったところでは、トランプ氏とその取り巻きは、相次ぐ悪い報道に包囲され、味方であるはずの議会共和党に見放されたと感じている。トランプ氏がコミー連邦捜査局(FBI)前長官を解任したことへの怒りと、同氏がロシアとの関係を巡る捜査を阻止しようと動いた疑惑が、一向に収まる気配を見せないからだ。

コミー氏がトランプ氏との会話を記載したとされるメモの抜粋が報道された16日以来、官邸関係者を除けばメディアに出て疑惑に反論した共和党政治家はほとんどいない。

捜査を指揮する特別検察官にロバート・モラー元FBI長官が任命されたことで捜査は新たな段階に入り、政権への追及はさらに強まると見られる。一部の共和党議員は、それでもホワイトハウスが大統領擁護のための助っ人起用に手を打っていないとあきれ顔だ。

ジェームズ・インホフ上院議員(共和党)は、ホワイトハウスから大統領の擁護を求められたかというロイターの質問に対し、「それが滑稽なことに答えはノーだ。ほかの議員についても、接触があったという話は一切聞かない」と述べた。

ホワイトハウスから、この記事についてのコメント要請への返信は得られていない。

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