最新記事

テロ対策

ロイヤル・ヨルダン航空、米の電子機器禁止に神対応

2017年3月24日(金)18時07分
ロビー・グラマー

気のきいた対応を打ち出したロイヤル・ヨルダン航空 Ali Jarekji-REUTERS

<パソコンを持ち込めずに時間を持て余したなら、ロイヤル・ヨルダン航空が提案する12の方法を試してみては?>

入国禁止令だけでは足りないのか。トランプ政権は20日、テロ対策として中東と北アフリカの10カ所の空港を出発するアメリカ行きの便でスマホと医療機器以外の電子機器の機内持ち込みを禁止した。

禁止対象となる空港は、エジプトのカイロ、トルコのイスタンブール、クウェートのクウェート市、カタールのドーハ、モロッコのカサブランカ、ヨルダンのアンマン、サウジアラビアのリヤドとジェッダ、アラブ首長国連邦のドバイとアブダビ。

【参考記事】米英が電子機器持ち込み禁止、中東・北アフリカ出発便で

乗客は最長14時間のフライトをパソコンやタブレットなしでただ耐えるしかないのだろうか──「そんなことはありません」と、気のきいた対応を打ち出したのは、トランプ新規制の乗客への連絡にもいち早く対応していたロイヤル・ヨルダン航空。自社のフェイスブックページに利用者へのお知らせとして「PCなしで12時間過ごす方法」を掲載した。

1 ) 本を読む
2 ) お菓子をつまむ
3 ) 隣の人に話かけてみる
4 ) 瞑想する
5 ) 1時間ぐらいかけて見る映画を決める
6 ) 空を飛んでいる奇跡に改めて感動する
7 ) ネットがなかった時代の原始的な会話を楽しむ
8 ) 肘掛を取り合う
9 ) テーブルをキーボードだと思う
10 )機内免税店で買い物をしまくる
11 )人生の意味を考察する
12 )PCを持ち込めない理由を考える

パソコンを持ち込めない理由を考え始めたら、眠れなくなるかもしれない。今回の規制にはそもそも意味がないという見方もあるからだ。湾岸アラブ諸国の空港は、アメリカと同様の厳しい安全対策を講じている。この規制の対象にもなっているアブダビ空港には、米国土安全保障省が運営するアメリカの入国審査を受けられる設備もある。

また、今回の規制は直行便に限定されている。アメリカへの直行便を避けてヨーロッパ経由にすれば、パソコンを持ち込むこともできる。

【参考記事】パイロットも殺害していた「イスラム国」の非道

【参考記事】パソコン一台で航空機を乗っ取り?

テロリストがこれまで中継地点として利用してきたパキスタンが今回の規制対象になっていないのもおかしな話だ。パキスタン国際航空はこの抜け穴を逆手に取ってツイッタ―に投稿した。

知ってる? パキスタン国際航空ならPCもタブレットも持ち込めるってこと

興味深いことに、アメリカに続いて電子機器の持ち込みを禁止したイギリスは、アラブ湾岸諸国の空港を対象から外している。

トランプの真意はともかく、ロイヤル・ヨルダン航空が退屈なフライトを少しでも楽しいものにしてくれるよう願うばかりだ。

From Foreign Policy Magazine

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国製造業PMI、12月は9カ月ぶり節目回復 非製

ビジネス

エヌビディア、イスラエルAI新興買収へ協議 最大3

ビジネス

ワーナー、パラマウントの最新買収案拒否する公算 来

ワールド

UAE、イエメンから部隊撤収へ 分離派巡りサウジと
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 9
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 10
    頭部から「黒い触手のような角」が生えたウサギ、コ…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中