最新記事

韓国

韓国検察、朴前大統領の逮捕状を請求 有罪なら懲役45年も

2017年3月27日(月)22時44分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

韓国の検察当局は、朴槿恵前大統領の逮捕状をソウル中央地裁に請求した。朴氏は収賄などを巡る捜査で容疑者として先週、取り調べを受けていた。写真は21日、ソウル市内の検察当局に到着した朴槿恵前大統領(2017年 ロイター/Kim Hong-Ji)

<朴槿恵前大統領の一連の疑惑を捜査している韓国の検察特別捜査本部は、27日元大統領に対する逮捕状を請求した。検察は、21日に行った取り調べで一貫して元大統領が容疑を否認したことで証拠隠滅の可能性があることを理由にあげた>

韓国の検察・特別捜査本部は、朴槿恵(以下、パク・クネ)元大統領の逮捕状を27日午前ソウル中央地裁に請求した。検察は21日にパク前大統領に対して14時間に及ぶ取り調べを行い、逮捕状を請求するかどうか注目されていたが、予想以上に早い段階での逮捕状請求に踏み切った。これは5月9日に行われる次期大統領選挙への捜査の影響をできるだけ少なくするためと見られている。仮に逮捕され有罪になれば、最長で懲役45年になる可能性もあるという。

韓国メディアNEWSISなどによれば、検察関係者は「事案の重大性、証拠隠滅の憂慮、逮捕された共犯者との公平性と諸情況を総合した場合、逮捕状を請求するのが法の原則に合致すると判断した」と話した。

【参考記事】朴槿恵前大統領が検察に出頭「誠実に聴取に応じます」

検察は特別検察から引き継いだ捜査の中で、パク前大統領に適用された容疑を重く捉えた。全部で13におよぶ容疑は、罪名でも職権乱用権利行使妨害、強要、強要未遂、公務上秘密漏洩、特定犯罪加重処罰法上のわいろ授受と第3者賄賂授受など5項目に達する。 このうち、崔順実(以下、チェ・スンシル)容疑者と共謀して李在鎔(以下、イ・ジェヨン)サムスン電子副会長に対して経営権の受け継ぎを助ける見返りに433億2800万ウォン(約43億円)台の賄賂を受け取った容疑が、逮捕状請に決定的な役割を果たしたものとみられている。

また、パク前大統領が21日の取り調べで、大半の容疑を否認した点も逮捕状を請求するうえで重要な判断要素となった。 パク前大統領は当時、14時間の取り調べの過程で、一部の事実関係を除いては大半の容疑を否認したが、このような陳述態度などを考慮すると証拠を隠滅する恐れがあるというのが検察側の判断だ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国とディール完了とトランプ氏、レアアース供給へ 

ビジネス

ドルのシェア低下もユーロ伸びず、円や金が拡大 EC

ビジネス

米CPI、5月は前年比+2.4%に小幅加速 前月比

ワールド

米国務長官がハーバード大の調査勧告、制裁違反の可能
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:非婚化する世界
特集:非婚化する世界
2025年6月17日号(6/10発売)

非婚化・少子化の波がアメリカもヨーロッパも襲う。世界の経済や社会福祉、医療はどうなる?

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラドールに涙
  • 3
    猫に育てられたピットブルが「完全に猫化」...ネット騒然の「食パン座り」
  • 4
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害…
  • 5
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 6
    日本の女子を追い込む、自分は「太り過ぎ」という歪…
  • 7
    ふわふわの「白カビ」に覆われたイチゴを食べても、…
  • 8
    ひとりで浴槽に...雷を怖れたハスキーが選んだ「安全…
  • 9
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 10
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中