最新記事

事件

南フランスの高校で銃乱射 犯人は16歳の生徒

2017年3月17日(金)13時07分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

事件が起きたアレクシス・ドゥ・トクヴィル高校 France 24のニュース画面より

<フランス南部のグラースにある高校で、武装した生徒が銃を乱射し、8名が負傷する事件が起きた。IMFのパリ事務所で郵便物の爆発事件が起きたばかりのフランスは緊張に包まれている>

フランスの南部グラースにあるアレクシス・ドゥ・トクヴィル高校で、現地時間の16日、16歳の生徒が武装して、銃を乱射する事件が起きた。フランス内務省によると、事件はこの生徒が単独の犯行という。

逮捕された生徒は、狩猟用の散弾銃1丁と拳銃2丁、手榴弾2個をもっていた。校長と生徒3名は銃撃で軽傷を負い病院に搬送されており、残りの5名は避難する途中で怪我をしたという。

校長は犯人の生徒を取り押さえて説得しようとしたという。フランス教育相は「校長の行動は英雄的だった。このために最悪の事態を避けることができた」と明らかにした。

現地の当局者は「容疑者は精神的な問題を持っていると見られる」と語り、テロ組織など政治的な背景はないとの見方を示した。事件を捜査中の検察は「容疑者が他の生徒との関係が良くなかった」と説明している。AFPが報じた。

コロンバイン高校の事件を参考に?

一方、ル・モンドなどによると、犯人の生徒は1999年にアメリカ、コロラド州で起きたコロンバイン高校の銃乱射事件を参考にしたことが明らかになっている。

警察は容疑者の生徒のYouTubeやFacebookアカウントに、コロンバイン高校の事件発生時の監視カメラ映像を視聴した履歴があることを確認した。また、この生徒のTwitterアカウントにはコロンバイン高校で犠牲になった被害者の死体の写真がアップされいてることも確認したという。さらに生徒はSNSのプロフィールに、残忍な暴力性が問題になったコンピュータゲームの画像を使っていたことも確認されたという。このゲームは、街中で市民を無差別に殺りくするという内容で、批判を受けているものだという。

Twitterで昨年夏にフランスのニースで起きたテロ事件の映像をアップしていたこの生徒に、他のTwitterユーザーが削除を求めたところ、この生徒は「人が何の理由もなく死ぬことができるというのを見るのがいい」と答えたという。

フランスでは、同じ16日にパリにあるIMFの事務所で郵便物の爆発事件が起きており、全国的に緊張が高まっている。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ビジネス

ECB、利下げごとにデータ蓄積必要 不確実性踏まえ

ビジネス

ソニー、米パラマウントに260億ドルで買収提案 ア

ビジネス

ドル/円、152円台に下落 週初から3%超の円高

ワールド

イスラエルとの貿易全面停止、トルコ ガザの人道状況
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「TSMC創業者」モリス・チャンが、IBM工場の買収を視…

  • 8

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 9

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中