最新記事

企業

ロボット化する社員が企業の倫理的問題を招く

2017年1月19日(木)19時08分
ピーター・ネビル・ルイス ※編集・企画:情報工場

 ナチスドイツを含む過酷な全体主義統治者は、これら3つの質問にすべて「イエス」と答えるだろう。また、多くの相場師やトレーダーも、うまく利益を上げられた日には、3つの「イエス」を揃えることだろう。彼らのせいで損をする人がたくさんいたとしても、だ。

 つまり、ほとんどの行動について上記のような形式で問えば、誰でも自らを正当化して「イエス」と答えることができるのだ。しかし、それが「正しい」わけではない。なぜなら、次の「4つめの質問」が重要だからだ。

・自分がしていることは、正しい道徳的価値観に基づいているか?

 この決定的な質問は、それまでの3つの質問の不完全さを露呈させる。

 リーダーであるならば、物事を判断するための思考のフレームワークをつくるといいだろう。それが企業のカルチャーを正しく把握し改善することにつながるはずだ。

「服従倫理」と「合理性の倫理」は反比例する。一人ひとりの従業員がよく考えて思慮深い判断をすればするほど、ルールに従わなければならないという固定的な考えは必要なくなっていく。逆もまた然りだ。彼らが盲目的にルールに従えば従うほど、自らの行動がどんな結果を招くかなどを考慮に入れなくなる。

[執筆者]
ピーター・ネビル・ルイス Peter Neville Lewis
ロンドンのブルネル大学の名誉研究員。プリンシプルド・コンサルティング創業者でもある。

© 情報工場
johokojologo150.jpg



※当記事は「Dialogue Q3 2016」からの転載記事です

dialoguelogo200.jpg





情報工場
2005年創業。厳選した書籍のハイライトを3000字にまとめて配信する書籍ダイジェストサービス「SERENDIP(セレンディップ)」を提供。国内の書籍だけではなく、エグゼクティブ向け教育機関で世界一と評されるDuke Corporate Educationが発行するビジネス誌『Dialogue Review』や、まだ日本で出版されていない欧米・アジアなどの海外で話題の書籍もいち早く日本語のダイジェストにして配信。上場企業の経営層・管理職を中心に約6万人のビジネスパーソンが利用中。 http://www.joho-kojo.com/top

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU、エネルギー市場混乱長期化への備え促す イラン

ビジネス

ユーロ圏インフレ率、3月は2.5% 石油ショックで

ワールド

中国船3隻がホルムズ海峡通過、「湾岸地域の平和回復

ワールド

独失業率、3月は6.3%で横ばい 失業者数も変わら
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 5
    アリサ・リュウの自由、アイリーン・グーの重圧
  • 6
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 7
    初の女性カンタベリー大主教が就任...ウィリアム皇太…
  • 8
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    ビートルズ解散後の波乱...「70年代のポール・マッカ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反対署名...「歓迎してない」の声広がる
  • 3
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 4
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 5
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 6
    中国の公衆衛生レベルはアメリカ並み...「ほぼ国民皆…
  • 7
    中国最大の海運会社COSCOがペルシャ湾輸送を再開──緊…
  • 8
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 9
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 10
    作者が「投げ出した」? 『チェンソーマン』の最終…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 10
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中